*R15
*猫化











「にゃーって鳴いてください」
「はっ倒すぞ」


何故か猫になりました。





静かに雪が降る京都にある屯所内では事件が起きていた。
上記で記した通りである。
正確には本人と同じ黒い猫の耳と尻尾が生えた。


「にしても何で土方さんにこんなもんが……」
「知るか!」


当の本人、土方は余程苛立っているのか原田の質問に尻尾が真っ直ぐに立った。


「本当の猫みたいだな」
「そうだね。土方さんの意思で動くみたいだし」


興味津々に眺めてくる沖田と平助の視線にいたたまれなくなった土方は立ち上がり広間から出ていこうとする。


「どうしたんだ土方さん?」
「取り敢えず部屋に籠ってる。こんな醜態、他の隊士にゃ見せらんねぇからな……」


項垂れた土方の背中を原田と平助は苦笑しながら見送り、沖田は残念、と本音を溢した。





───────





「はぁ……」


自分に生えている耳を引っ張りながら大きく溜息をつく。
何故こんなものが生えてきたのか皆目検討もつかない。
土方が腕を組みながら悩んでいると廊下からばたばたと大きな足音が近づいてきて、次の瞬間。


「おぃこら、総司……ぃ!?」


スパンと障子が開け放たれると部屋の中に黒い着物を纏った隊士が転がり込んできて、すぐさま開けられた障子が閉められた。
隊士、というのは言わずとも声で判別できた。


「さ、斎藤……」
「っ!すみません副長!総司が無理矢理引っ張ってきたもので許可も取らず部屋に入ってし、まい……」


最後には消え入るように言葉が小さくなっていった。
それもそのはず、平謝りしていた斎藤が頭を上げて土方の姿を目の当たりにしてしまったのだから。
驚愕で目を見開きポカンと口を開けている斎藤に土方は目を泳がせる。


「副長……それは一体……」
「……残念ながら俺にもよく分からん。まぁ形からして猫の耳と尻尾……どうした」


斎藤に説明しているといやに熱い視線を感じ、目を向ければ案の定斎藤が、何故か目を輝かせていた。


「猫、ですか」
「……おう」
「本物……」
「あぁ、一応動く」


ピコピコと耳を動かしながら尻尾を揺らすと斎藤が息を呑む気配がする。
顔も真っ赤で、しかしその目は土方から逸れる事はない。
土方はなんとなく嫌な予感がしながら斎藤に声をかける。


「……土方さん」
「なんだ」
「大変失礼な事だと思っているのですが……」
「おぅ」
「……触ってもよろしいですか」


やはりか。
大方の予想はついていたので驚きはしなかったもの若干迷った。
しかし、こんなにまで目を輝かせている斎藤というのも見れるものではない。
しばらく悩み、そわそわと動いている斎藤に目を向けて気付かれないよう溜息をつく。


「いいぞ」


その一言を言った途端勢いよく上がる顔と更に輝きを増す瞳。
どれだけ猫が好きなんだと心の中で突っ込んだ。


「では……」


斎藤はそろそろと近づいてきて真正面に正座し頭の方に手を伸ばしてくる。
変に緊張する。
ただ触られるだけなのだからそこまで気を張らなくてもいいのでは、と考えている間に斎藤の指が耳に触れた。


「っひ……!?」


途端に身体にゾワリとした感覚が走る。
ビクリと身体が跳ねたせいで斎藤の手も驚いて耳から離れた。


「土方、さん、大丈夫ですか……?」
「あ、いや……多分、大丈夫だ」


しかし先程の感覚は、と思案していると突然斎藤の身体が土方に覆い被さってきた。
何が起こったのか思考が追いつかずただ呆然と斎藤を見上げていると、再び耳に手が触れて背中が粟立った。


「ひ、あ!さいと、ぅ、なにを……!」
「……感じてらっしゃるのではないですか?」


吐息が混じる声が耳元で囁かれ、身体が震える。
土方が信じられないと言わんばかりに目を見開いて見つめると、斎藤は顔を赤らめて苦渋な表情を浮かべて畳を泳いでいた尻尾を優しく掬い取り音を立てて口吻けた。


「ぉ、いっ、斎藤……!」


熱のこもった吐息を溢し、同様に熱のこもる瞳を土方へ向けて喉を鳴らす。


「申し訳ありません。抑えることが、出来ないようです……」
「ばかやろ……!日も暮れてねぇっていうのに……!」
「土方さんが……可愛らしい格好をしているのが悪いんですよ」
「なっ」


無茶苦茶な、と抗議しようとした瞬間斎藤は尻尾の先に口吻けて、あろうことかそのまま口に含んだ。
猫というのは尻尾まで敏感なのか、その感覚に身体が跳ね上がる。
斎藤はまるで情事を思い出させるように、土方自身を愛撫するときのように優しく舌を這わせる。
口に含まれていない部分は軽く指で撫でられて、たまに擦るように手が動き快楽が強まった。


「あ、っひぅ……!さ、いとう、やめっ……!」


制止の声が届くはずも無く、器用な舌先は土方へ快楽だけを与える。
堪えるためきつく閉じていた瞼を薄ら開けてみると伺ってくるような欲に濡れた視線と目が合い、腹の下辺りが重くなった。
既に紅潮した顔と潤んだ瞳、斎藤もまた土方と目が合ったとき己の欲望が大きくなったのを感じた。
己の唾液で濡れそぼった尻尾の先から口を離し舌なめずりをする。
その仕草に土方は更に顔が熱くなった。


「はぁ……ぁ、斎藤……」
「……今更、止めることは出来ませんよ」


きっぱりと断言されてしまい土方は半ば諦めるように嘆息する。
その息すらも喰らうかのように噛み付かれる口。
長い口吻けを終えた後に濡れた唇を舐められた。















舐める

(改めて相手の性癖を知った)




















アンケにあった斎猫土をここであげてみるwww
R15でいいよね、微裏だよねこれ。
変態な斎藤さん第二段であるwwwww
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -