*死ネタ
*捏造注意















暗闇の中、チカチカと白い光が瞬く。
何かと思って目を開けると目の前全部が真っ白になって、眩しさに頭が痛んで吐き気がした。
思わずまた目を瞑り、落ち着いた頃に再びゆっくりと瞼を開ける。
今度はしっかりと風景が映った。
最後に見た森は暗かったのに今は鮮やかな緑が見える程に明るい。
周りに広がる赤も、鮮やかだ。


「朝、か……」


白い光は朝日だったらしい。


「くっそ、目が痛ぇ……」


ふと、あいつらも同じように感じていたのだろうかと考えた。
しかし、余程集中力が欠けているらしくその思考もすぐに霧散してしまう。
おもむろに立ち上がろうとしたが、足に撃ち込まれた弾が重くて動かす事も出来ない。
動けないと悟った時、茂みが音を立てて揺れた。


「おぉ、新八か」
「何だ左之かよ。脅かすな」


敵かと思った、と言って笑ってやれば返される笑顔。
原田は足を引き摺るように歩いて来て、永倉と同じように幹に寄りかかりながら隣に座った。
その際に響いた嫌な水音に永倉は腹に添えられた真っ赤な原田の手を見つめた。


「撃たれたか」
「あぁ、腹に風穴開いちまった」


まるで普段の会話のように淡々と喋る。


「痛ぇ?」
「そりゃあな。お前は?」
「足に一発と肩をざっくり」
「痛いか?」
「まぁな」


でも今は痛覚が麻痺したのか、痛みより疲れの方が勝ってる。
気がする。


「左之」
「何だ?」
「こっち向け」
「なに、んっ……」


優しく、深く、ゆっくりと口吻けを交わす。
唇を離して顔を近づけたまま苦笑い。


「血の味だ」
「口ん中砂まみれだ」


お互いに頬に付いた土埃や固まった血を撫で合う。


「……どうだ?」
「……最高」


原田は永倉の肩に頭を乗せて目を閉じる。


「新八」
「ん……?」
「痛いな」
「少しばかりな」
「眠いな」
「俺も流石に疲れた」
「新八」


原田が永倉の手を握り薄く微笑む。


「好きだよ」


永倉は原田に目を向けず静かに瞼を下ろした。


「俺も、好きだよ」


なんて、愛しいんだろう。
昇り始めた太陽が終わる世界を照らし出す。















眠る

(最後の世界に二人きり)




















深愛が一番似合う二人だと思います。


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