真弘は気を失った拓磨の後処理をした後、自分の身を整えて廊下に出た。
酒も入ってるから多分朝まで起きないだろう。
汗もかいただろうからせめて身体を拭いてやらなければ。
冷たい廊下をひたひた歩いていると角を曲がったところで人に出くわした。


「珠紀」
「真弘先輩。どうしたんですか?」


見るからに風呂上がりの珠紀は真弘の姿に驚いた。
真弘は苦笑しながらタオルと湯を取りに、と正直に答える。
珠紀はその意図を汲み取って同じように苦笑した。


「……あ、悪かったな」
「何がですか?」
「結界。お前だろ?」
「……あぁ、はいっ。そんな気がしたので!」


キラッといい笑顔で親指を立ててくる珠紀に真弘はなんとも言えない脱力感に襲われる。
とりあえず謝っておいた。
どうやら珠紀は真弘達がいた部屋に声が漏れないよう結界を張っていてくれたらしい。
要らぬ世話をかけてしまった。
しかし、理解のある主人だとつくづく思う。


「他はどうした?」
「潰れてます」
「…………はい?」


今聞き捨てならない台詞が。
珠紀はニコニコ笑っていて、背中に冷や汗が流れた。


「珠紀さん?どういうことかkwsk」
「面白かったのでお酒飲ませました!」


実に簡単な答えが返ってきた。



ドンマイ、お前ら。



ブラック姫様が降臨してたならどうすることも出来なかったんだろう。
広間の惨状を想像して身震いした。


「そういえば」
「あ?」
「拓磨どうでした?」
「……えと、とても可愛らしかったです」


ずいっと詰め寄られて正直に答えた。



あいつらの二の舞はマジ勘弁。


「へー……ふふ」
「な、何だよ」
「いえ、この間拓磨が相談してきたんですよ」
「は?」
「恥ずかしくて意地の方が前にきちゃう、呆れられてたらどうしようって」
「…………」


何それ可愛い。



にやける口と一緒に赤くなっているであろう顔を手で覆う。
珠紀が面白そうに見てきてるがこの際無視だ。


「で、どうするんです?正直に呆れてないって言ってあげます?」
「……いや、そんなの聞いちゃ苛めない方がおかしいだろ?」
「ですよねぇ」


珠紀はまた何かあったら伝えますね、と言って自室へ戻っていった。
真弘といえば今夜の事で拓磨をどうやってからかってやろうか考え始めていた。




















二万打リクのおまけです。
ギャグ目指したけど質が悪い小話になった。
珠紀が黒いwwwすいませんwww
何でこうも真弘と珠紀はサドっぽくなってしまうのか。
キャラがホントに迷子だw




人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -