現パロ
「…………あ」
「うぉっ!?」
隣に並んで歩いていた大鳥さんはいきなり俺の腕を掴むと横に引っ張った。
驚いた俺は転けそうになりながらもバランスを持ち直し、脇目も降らず商店街の店先へ歩く大鳥さんへ声をかける。
「お、おいっ大鳥さん!いきなりどうし、」
話している間に俺と大鳥さんが屋根のかかった店の下へ入った途端、
ザアアアアッ
「…………」
まさにバケツをひっくり返した様な雨が降ってきた。
驚いた俺は言いかけていた言葉も忘れ、ポカンと間抜け面で空を見上げる。
突然の豪雨に逃げ惑う人々を哀れみ、真っ直ぐに前を見据えている大鳥さんの顔を伺うとどうしたんだい、と微笑んできた。
「いや、雨降んの分かってたのか……?」
そう問うと大鳥さんはぱちくりと目を瞬かせ苦笑した。
「うーん、分かってたと言うより気づいたって言った方がいいかな?」
「あ……?」
大鳥さんは視線を空に向けながら目を細めた。
「昔から空を眺めているのが好きでね。雲の流れとか、そういうので分かっちゃうんだ」
「…………」
空を見詰める大鳥さんの目はどこまでも優しい。
「なんて、少し地味な趣味だよね」
「いいんじゃねぇか?大鳥さんらしくて」
「……そうかい?」
照れたような、複雑そうな顔をする大鳥さんにクスリと笑い、小さな雨粒を降らし始めた空を見上げる。
「……んで、この雨はいつ止みそうなんだ?」
「あぁ……それなら、もうすぐ」
そう言って大鳥さんが空を見上げると雨は止み、雲の隙間から青が見え始める。
伊達に昔から見ていたわけではなさそうだ。
感心しちまう。
「さ、早く会社へ戻ろう」
「あぁ、そうだな」
清々しいくらいに晴れ渡った空の下を歩き始めようとすると、すっと彼の右手が差し出された。
「行こう、土方くん」
爽やかに笑ってくる大鳥さんに目を丸くさせる。
外で手を繋いでもいいのか、とも思ったが、先程の雨で道には人はいない。
人目につくようになるまでならいいか。
俺は苦笑しながらその温かい右手を手にとった。
二人きりの大通り
(水溜まりには青い空と赤い顔のコントラスト)
初鳥土\(^o^)/
これで大鳥さんのキャラは合っているのだろうか。
一応会社の同僚設定です。
気に入って頂けたら幸いです。