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―――新宿・某所


「トリック・オア・トリートー!!!!」

「あぁなまえちゃん、…やっぱり来たんだ。」


今日が何の日なのか。
それは冒頭の私の台詞を見れば一目瞭然だと思う。

そう、今日はハロウィン。

お菓子を貰えなければいたずらが許されるという、何とも素敵なイベント当日。

折原さんには普段からからかわれてばかりなので、この素敵なイベントを是非とも利用していつもの仕返しをしてやろうと思っていたのだけれど、


「はい。なんとなく癪だけど、君にいたずらされるよりはこっちの方が断然ましだし俺が君なんかにいたずらされても何も面白くないから。あげるよ、クッキー。」


…やっぱり折原さんには敵わないようで。

いや、大方こうなるって予想はついてたけどね!!

素直に喜ぶべきか思案していると、「で?」と折原さんが話を切り出してきた。


「何ですか。」

「惚けないでよ。わざわざ俺の自宅まで押し掛けてきて、しかも厚かましくもお菓子の要求までしたんだからさ、勿論俺にもあるんだよねぇ?」


ね、なまえちゃん?
そう言って手を差し出す折原さんに、私はふふん、と得意気に笑って鞄に手を伸ばす。


「勿論、当然じゃないですか。これ以上折原さんにちょっかい出されるのはご免被りますし。まあ手作りなんで、味は保証し兼ね…ます…が……、」


お菓子を取ろうとした筈のなまえの手は、鞄の中で虚しくも空を切った。

…あれ、なんでだろ。来る途中に落としたかな…?

………。

……あ、思い出した。キッチンに置きっぱなしだわ。


「なまえちゃん、どうかしたのかな?」


なまえには、そう言う臨也の笑顔がいつもより輝いて見えた。

やばいよ、やばいやばいこれはやばい。マジピンチだよ私。

冷や汗が背中をだらだらと流れるのがよく分かった。


「え…えへ、持ってくるの忘れちゃったみたい…です。」

「……へぇ、そうなんだ。」


うわあぁぁぁ、折原さん笑顔が素敵!清々しいほどに真っ黒に輝いてますよ折原さん!!!!


「……あはは、ちょっと取ってきま――」


ガシッ。

家に帰…いや、逃げようとドアの方へ踵を返した途端、折原さんがガシリと私の肩を鷲掴みにした。

全身を冷や汗が駆け巡るなまえには、もう既に逃げ道など存在しなかった。


「じゃあさ、いたずらしなきゃ…ね?」







(ブルブルブル)
(…?どうした、なまえ?)
(何も聞かないで下さい静雄さん。思い出しただけで体の震えが……くぅ、折原さん怖いよぅ…)
(…あ゙ぁ?臨也がどうしたんだ、なまえちゃんよお?言ってみろ、言わねぇと今すぐデコピンする。)
(……あ゙…。)






以上、ハロウィンネタで臨也でしたー

普段から色々臨也にちょっかいかけられてるなまえちゃんの仕返しは失敗したようです。

まあ、このあとシズちゃんが代わりにしにいっちゃうんでしょうけど^q^

なまえちゃんが臨也に何されたかは皆さんにお任せしますね!←

シズちゃんになら喜んでデコピンされに行きますよ私は!!((だがしかしMではない


2011/10/22
2011/11/03 追記

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