朝、起きると鉛のように頭身体が重かった…
それを同居人に悟られないように、至って平静を装って部屋を出た。
少し抜けてる彼になら気付かれることはないだろう…
と思いながら。
いつものように城の兵たちを持ち場に着かせ、自分はガーネット様の護衛にまわる。
といっても平和な世界を取り戻した今日この頃は、もっぱらまだ女王としての執務に馴れていないガーネット様のフォロー
いわゆるデスクワークに当たっている。
今日もいつものようにガーネット様の後ろに控え、時々意見を求められ
それを一緒に思案しながら時間が過ぎていく…
だがやはり今日は体調がおかしい。
身体中の血液が沸騰してるような感覚に襲われ一瞬意識が遠のいた。
「……ベアトリクス…?」
肩を揺さぶる感触と呼び掛ける陛下の声に瞬時に意識が引き戻される
目の前には心配そうに覗き込む陛下の顔。
やってしまったなぁと思う前に首筋に触れるヒンヤリとした手の感触
冷たくてとても心地がいい…
「熱、あるじゃない!」
「今日は私一人で大丈夫だから、あなたは悪化しないように休んでください」
とガーネットが言ってもお堅いベアトリクスがすんなり聞き入れるはずもなく…
「いいえ!このくらいでお休みを頂く訳にはいきません」
「ガーネット様が国民の為に尽力されてるときに私目が休むなどそんな罰当たりなことできるはずが!」
「ほんと頑固者ね!!こうなったら…」
(ちょっと手荒だけども…)
不意をついてガーネットの指先から放たれる光
―スリプル―
朦朧としていた為にそれをもろに喰らったベアトリクスは、その場に膝から崩れ落ちた
自分よりもかなり身長のあるベアトリクスを何とか抱えて自分のベットに横たえる
仰向けになっても失われることのない胸の谷間を羨ましく思いながらも、熱を取る為に冷たいタオルを首筋に当てる
「ベアトリクスも眠っているときは、あの張り詰めたオーラが消えるのね♪」
厳格な女将軍の普段は絶対に見ることの出来ない一面を見て、満足そうに呟くガーネット
「今後の為にも、ちょっとはベアトリクスに貸しを作っておきたいし、スタイナーには悪いけど今夜は私が看病させてもらうことにしましょう」
「あ、スタイナーに今夜はベアトリクスは忙しくて帰れないと伝えておかないとね!」
広い世界を旅してある程度の悪知恵も学んだガーネットは、取り巻きたちが思っているよりも色んな意味でずっと立派に成長していた…
戻る