ジタンと密会する為にリンドブルムへ向かうガーネットに護衛の為、同行した二人。



恋人との密会の為に国を留守にするなど、国民に知られては不味いので一応公務に見えるようにする為の同行だが…




リンドブルムに到着した瞬間からはそれぞれ別行動になる。





「では明日の夕方までにはリンドブルム城に戻りますので二人も楽しんでー」



そう言いながら、

会いたくて堪らなかった恋人との数か月振りの再会に心踊るガーネットの足はすでにエアキャブに向かっていた。






「姫様を一人で行かせてしまって大丈夫なものか…」


まだ保護者面が抜けないスタイナーが心配そうに呟く。





「ガーネット様はもう立派な大人の女性です。私共がそのような心配をするのは失礼にあたりますわ」





「うむ…お前がそう言うのであれば…」



いつもガーネットの一番身近にいるベアトリクスの言葉に何とか納得するスタイナー






「少し街を歩きましょう」

「あ、劇場街はダメですよ。お二人の邪魔をしてはいけませんから」



ベアトリクスの穏やかな言葉に、端から見ても目立つ長身カップルは日の沈みかけたリンドブルムの街に消えていった…






―二時間後―


二人の姿は酒場にあった。



明日も夕方までは特にすることがない。



これはベアトリクスとともにお酒を嗜む絶好の機会だと判断したスタイナーが上手く誘導した…




店内に入り空いていたカウンターの端の席に並んで座る。




普段から自分に厳しく規則正しい生活をしている彼女には恐らく初めての酒場であろう。



座ったまま固まっている彼女の緊張を解そうと、とりあえず一杯注文しグラスを重ねる






「苦っ…」


少し眉間寄せながらベアトリクスが呟く。





「ビールは苦手であるか?」

「それなら甘いカクテル等もあるが?」





「いえ大丈夫です。せっかく貴方と乾杯したのだから、これは飲み切らなければ」



うっすら笑みを浮かべて言う彼女を見て、スタイナーは独り幸せを噛み締めていた…



が、その後酒場に現れた意外な人物によって彼の幸せな時間はお預けになるのだった。





<長くなったので続きます>



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