超シンク戦
『シンク……イオンだって納得してるんだよ?どうして貴方は…』
「イオンは甘ちゃんだからさ!サクの言葉なんかにほだされて……所詮、アイツも劣化レプリカなんだよ!」
「今の言葉、取り消して!」
「取り消さないよ。事実だからね!」
ルーク達が武器を抜きシンクに詰め寄る。シンクはバク転して距離を取った。
「試してみようよ。僕とサク、どちらの言い分が正しいのかをさぁ!」
切って落とされた、戦いの火蓋。ゲームでいくと、シンクとのラストバトル。通称、超シンク戦。
今までは素性を隠す為に極力ダアト式譜術は使われなかったが、今は彼がクロノのレプリカだと既に知られている為、今回彼はダアト式譜術を惜し気もなく使ってくる。
シンクが駆使するダアト式譜術は、被験者より劣化しているとはいえ導師と同じ第七音素の力だ。オマケに体術と譜術が一式になっている為、連戦続きのルーク達は苦戦を強いられていた。
「サクっ!」
『くっ…!!』
隙を突かれ、シンクの蹴りがサクの横顔を掠れた。ハラリ、と舞い落ちる髪。寸での所でルークに名前を呼ばれなければ、頸動脈が切られていただろう。
否、頸動脈は兎も角………え?ハラリ、って……嘘、髪………切られ、た?
「はぁあああ!くらえ!!」
『(プチンッ)もう怒った!音素よ集え、そして我に従え!終焉の導きをかの者に示さん!全力全快、』
「Σや、やべぇ!サクがキレた!!皆逃げろぉおおお!!」
「アカシック・トーメント!!」
『エンド・オブ・フラグメント!!』
カッ ドゴオオォォン
ルークが仲間達に退避するよう叫んだ直後、詠唱が済んだ二人の譜術が炸裂した。
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