舞台







何度同じのを観るんだろう、何度これは繰り返すんだろう。そんなの聞いても誰も答えないし聞いたとしてもどうでもいい事だ

同じ光景を観て飽きない自分に拍手ものだと関心しながら窯を見つめる。あぁまた一緒か



何度も同じ戦い、また同じ結末。そう結末なんて何時も同じでつまらない。ずっと永遠に同じ本を読んでる感じで内容を全て覚えてる



――あぁまた同じ結末だったんだね。次はどんな未来なんだろうね?



また頭の中で声が聞こえる。懐かしくて大好きな声が聞こえるんだ。また同じなんだと笑いながら



――世界は廻る。それを断ち切るのは何時だろう、始まり≠ゥら終わり≠ヨと続く物語を私は早く見てみたいね


そういい彼女は甲高く笑い、俺の意識が浮上するのがわかった








双眼を開くとそこは何時も使う部屋。そこは何時も静寂で仕事ができる環境だ。

またか何時ものかと思いながら大きく伸びをする。仮眠が長いと彼女の煩い上司の小言を聞く事になる、それは避けたいから仕事をし始める。

机に置いてある書類に目を通す。最近面白いことがなくてつまらないなと思いながら普段と同じ事をし始める。

つまらなそうにペンを動かす、静かな部屋にはペンを動かす音しか聞こえない。



コンコンと扉を叩く音が聞こえたどうぞと一言言うと一人の青年…ミズキが入ってくる


「マヒナ少佐上からの調査書類が来たので届けに来ました」

「ミズキか…入っていいぞ」


ミズキと呼ばれた青年は失礼しますと扉を開け、入ってくる。

彼女の幼馴染であり今は仕事の上司と部下だ。部屋からあまり出ない彼女の調査書ととかを渡しに来るのが彼の日課でもある。

彼から貰った調査書の封を開ける。そこには先日統制機構支部襲撃事件、襲撃犯の名も一緒にだ。


「ここ最近支部を襲撃してるのラグナ=ザ=ブラットエッジです。で、その襲撃犯は今十三階都市、カグツチへと向かってるらしいですよマヒナ少佐?」

「ふぅんで、この書類か…ってミズキその呼び方と口調やめろよ、俺が嫌がってるの分かって言ってるだろ」

「あのな、セレン仕事と区別しろって言ったのどっちだよ」


仕方ないと何時も口調に戻す。

読み終わった書類は机の端へと寄せる。するとミズキがもう一つ別な紙を渡してきた。読んでみると苦笑いをして顔を引き攣る。


「情報部がキサラギ少佐の部下であるお前に任務だって」

「うげぇー何で?他の奴誘ってって断っといて」

「それが断れないんだよ。キサラギ少佐がいなくなったんだ、だからお前にキサラギ少佐探索と確保の命令が来たんだよ」

「誰から?」

「ハザマ大尉」


一瞬ぴくりと反応した。

まさかこう来るとは思いもしなかったからだ。無意識に口を歪ませた。ミズキは若干引きながらぼそりと呟く。


「お前キサラギ少佐やハザマ大尉の名前聞くだけで笑うなんて気持ち悪い」

「何か言ったか?」

「いや、別に」


ミズキの発言は聞き取れなかったセレン。聞かれていたら怒られるのでミズキはほっと安心する。


「あ、そだミズキも付いてくるんだよな」

「まぁセレンの部下だし」

「じゃ先行ってくれる?俺着替えるし…着替えが終わって支度が終わったらすぐに向かう」

「了解、早く来いよ」


ミズキが部屋を出るのを確認すると部屋の隅にあるクローゼットから服を取り出す。



―――あら、また男装するのかい?



誰もいなくなった部屋に凛とした声が脳内で聞こえる。セレンはそれを無視して着替え始める。

くすくすと脳内で笑い声が聞こえながら手は止めない。


―――まさかこんな可能性があるなんてふふっ面白い、面白いね。さて、君はどう動いてくれるんかい?

「傍観者は黙って物語でも見てろ。俺が面白くしてやるから」


ポツリと誰にとなく呟くと終わりこの部屋から出て行った。





「ん〜っ……はぁ〜やっと着いたぁ」

「もーノエルこれから任務なんだぞ?シャキっとしろよ」

「何時もやる気ないセレン先輩に言われたくないですー!」


くすくすと笑うセレンとノエルと呼ばれる少女。二人は士官学校からの知人であり、先輩と後輩だ。


第十三階層、カグツチ。セレンは今消えた自分の上司を探すために現れた。随分と昔にここ、カグツチには来た事がある。

少し懐かしながら周りを見る。あまり変わらないなと思いながらくすりと笑った。


「あんまり変わらないんだな、ここは」

「セレン先輩?」




「おーいセレン、ノエル!先に行くなよ!」

「本当ですよ、マヒナ少佐にヴァーミリオン少尉、先に行くなんて酷いですよ」

「あ、ハザマ大尉とミズキ君」


魔操船からひょっこりと現れたのはミズキと黒い服装を纏ったハザマ呼ばれた男だ。セレンを呼んだ人でもある。

セレンはハザマをちらりと横目で見るとにこりと微笑まれ目線をそらした。


「も、申し訳ありません、そのようなつもりでは……」

「そうかしこまらないでくださいよ。来る前にもお願いしたじゃないですか。階級だとか堅苦しい事は抜きにして気軽にやりましょう。気軽に」

「そうだぞーコイツにかしこまっても特なんてねーぞ」

「マヒナ少佐はもう少し言葉を選びましょう」


へいへいと手を振り一歩前へと進む。

セレンとハザマは少し顔見知りだ。なので少し軽い口で話している。

今彼女達は行方を眩ませたセレンとノエルの上司であるジン=キサラギ少佐を探しに行くためにここ、カグツチに現れた。

セレンもあの野郎とか思いつつ彼はいなくなると少し心配はする。

ミズキ達の会話を聞き流しながら周りを見渡した。


――ふふっまさかね、彼がこっちから誘ってくれるなんてね、これは珍しいパターンね


――まぁ、私はあくまで傍観者さ。だからせいぜい足掻いて私を楽しめなさいよ


また脳内に聞こえる声。それは何時も聞いてる声であまり不快でもないし気にもしてないから普段はスルーをかましていた。


「マヒナ少佐にも情報収集をお願いしますね」

「あぁ…」


ノエル達の話なんて全く聞いてないが一応は曖昧に返事をする。だが情報収集をしろとだけはわかった。

どうやら別々に行動をして情報を集めるらしい。


「で、ミズキは?」

「俺一応ノエルと一緒に行動。何か不安だし」

「あっそ、なら俺一人で集めてくるわ」

「あ、そうそう十八時には合流ですからね」


ハザマの声を聞きながら手を振り情報集めをしに歩き始めた。

少しさっきの場から離れて人気のない道へと進む。小さくため息を吐いて後ろから微かながら人の気配を感じた。

すぐさま振り返り、ご信用の短剣を誰かの首元にあてた。


「危ないですよマヒナ少佐。急に短剣向けないでくださいよ」

「……こそこそと人をストーカーしてる人に言われたくありませんよハザマ大尉?」


何食わぬ顔でセレンを見つめる。短剣を当てられてるのに表情は何時もと変わらず表情で顔でセレンを見る。

その顔は彼女にとって不快なものだ。


「これは忠告です。余計なまねだけはしないでください」

「それってここに俺を呼んだお前が言うか?」

「呼ばなくても貴女はここに来るでしょう?だから呼んだんですよ。ま、貴女の監視はしますがね」

「俺はあくまで関わるだけだ。これにどうこうする気はない」


クスリと笑って短剣を仕舞う。もうこれ以上やっても意味がないと判断したからだ。


「ま、やられないように気をつけろよな」

「それはこっちのセリフですよ。背後には気をつけてくださいね」


カツンとブーツを鳴らしてセレンは人気がない所へと消えていった。

それをハザマは静かに消えてく彼女を見てその場から消えた。






.




「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -