Clap
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ある日の昼下がり、今日は珍しくリオンが任務、俺が非番。まぁ珍しい事もあるんだな

何時もだったら二人一組で任務なのにねーま、休めるのは嬉しいがね


《おい、引きこもり外に出ないのか一日中部屋に閉じこもるつもりか?》

「んーだな、この部屋本も充実してるし、出る気ないしなー夕飯まで部屋でゴロゴロする〜」

《この引きニートめ外で鍛錬しない》


おい待て、何故セイルお前は引きニートと言う単語を知っている。引きニートと言う単語は好きだが…ってか俺一応客員剣士だぞ?

朝リオンと一緒に鍛錬したからもう部屋に閉じこもってるんだ。出たくない、引きこもり万歳な日なんだよ

それでのんびりと本を読んでたらコンコンと扉がノックする音が聞こえた


「セレン、いる?」

「あーマリアン、俺居留守使いまーす」

「ふふっ部屋にいるのね」


あ、俺のボケがスルーされたよちくしょー

それよりセイルが笑ってたからコアをガリガリ引っ掻いてたら次は悲鳴声が聞こえた。全く忙しいやつだな

そんな事よりマリアンが入ってきた。何の用かなとマリアンを見る


「セレン今暇?」

「暇だけどーどったの?」

「女の子の服着たセレンとお茶したいなーって」


…はい? 今何といいました、マリアンさん。女の服、訳がわからん単語がちらほらと聞こえた気がする


「マリアン、なんて言った?」

「今誰も居ないから女の子の服を着たセレンと庭でお茶したいな〜って」


なんでそんなにウキウキしてるんですか、そんなキラキラした目でこっち見ないでください

確かにマリアンは俺を女だって事は知ってるよ。だけどもし俺が女だって事バレたらどうするんだよ


「安心して、リオンは夕方まで帰ってこないし、ヒューゴ様は今日帰ってこないから平気よ」


お願いと手を合わせてお願いされると俺もまぁ、断りきれないな

それよりセイル、お前が笑いを堪えるフリして笑ってるのがどうも気に食わん、後でコアを下向きに思いっきり床とこんにちわさせてやる


「はぁ、わかったよ…だったら俺着替えるからお茶の用意して待ってて」

「分かった! 早く来てね!!」


もう、女の子の格好するなんて何年ぶりだろう…前の世界でもスカートよりズボンだったし、スカート着るなんてホント何年ぶりだろう

っと着替える前にセイルに床に思いっきり叩きつけた

俺しか聞こえない悲鳴を聞きながら女物の服を着始めた





「まぁ! セイル可愛い!!」


庭に出てマリアンと目が合うと抱きつかれた。もう今日は厄日かよと思うぐらい泣きたいぜちくしょーめ(セイルは唸ってたから部屋に放置)

随分と前に女装セットとして女物のスカートとか買ったのを着た

やるならとことんやるって事で伊達眼鏡、髪の毛も少し、ほんの少しだけ巻いて登場したらマリアンに抱きつかれた


リオンがいたら絶対に殺されるな


「俺…っと私のほうがいいかしらマリアン?」

「セレンも女の子らしくできるじゃん! とっても可愛いわ」


あははーっと苦笑い

こうして楽しいマリアンとのお茶会が開きましたよ…


「それでね…セレンどうしたの?」

「セイラね。いや何でもないわ。それで何の話だっけ?」

「あら、ごめんなさいね、セイラ」


一応女装名を決めてたからそう呼ばせようとしてるが全然呼んでくれないよ…




「マリアン、誰とお茶してるんだい?」


げ、今一番会いたくない奴に会ってしまった…何でリオンお前早く帰ってきてるんだよ! まだ夕方じゃないぞ


「お帰りなさいリオン。リオンもお茶する?」

「それよりマリアン、こいつは誰だ」


痛い、目線が痛いぜ。さっきから坊ちゃんに睨まれてる、すっごく睨まれてる

明らかに俺、他人だよな。だったら騙せるか


「初めましてリオン様、私セレン兄様の双子の妹のセイラと言います。何時も兄がお世話になっています」


優しく微笑むとリオンは少し顔を赤くし目線を逸した。よし、これはいけるぞ

マリアンには黙っててと合図を送る


「あいつの双子の妹…? 確かにあいつに似ているが、初耳だ」

「そうなんですか? まぁ、私と兄様離れて暮らしているのでたまにしか会いませんが…」

「で、会えたのか、今日はずっと屋敷にいるはずだ」

「いいえ、どうやら出かけたらしくて会えませんでしたわ。なのでマリアンさんと少しお茶をしていた所です」


本人ここにいますがね。だから会いたくても会えないんだよ

駄目だ、気を緩めたら腹抱えて笑いそう。笑っちゃ駄目だ、笑っちゃ駄目だと自分に言いつけてニッコリと営業スマイル


「あら、もうこんな時間私はこれで…」

「もう行くのか?」

「はい。あ、もしよけれな兄様によろしく伝えてください」


では、と一礼してさっさと屋敷から出て行った


「ひーもうダメ、お腹痛いあー久々に心の底から笑ったよ」


路地裏で大爆笑。もうお腹痛くて立てない、今日は面白い体験してよかったよ

さて、着替えて屋敷に戻るか



(おいセレン、妹がさっき来てたぞ)
(あーさっきあったよ、セイラ可愛いいだろ〜☆)
(お前と全く正反対で礼儀正しかった。お前もそこを見習え)
(無理でーす。坊ちゃんセイラに惚れるなよ〜)
(なっ! 惚れはしない!! それに坊ちゃん言うな!!)
(あ、なんかショック受けた)





ある日のお茶会での出来事





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