やっと
2013/07/31 15:00







嘘だ、嫌だ…どうしてこうなったの…ねぇ誰か教えてよ

エミリオが死んだ? じゃあ俺が今までやってきたことは全て無駄だったのか

俺はまた大切な人を失ったのか? 嫌だ、そんなの認めない、絶対に認めない!

これは悪夢だ、俺は悪夢を見てるんだよ。だから早く目覚めよう、そして何時もの日常に戻ろう


「リオン…どうして…どうしてなんだよ」


夢なんかじゃないのは分かっている。これは現実だって、ただ俺は現実から目を背けてるだけだって事も分かっている


「離せ!! 俺はリオンを助けるんだ!!」

「落ち着くんだセレン君!」

「十分落ち着いてる! だから離せよ、早くしないと」

「いい加減にするんだ!」


怒鳴られ我に返る

そう、今行ってももう助かる見込みなんてないに等しい。そんなの分かってる…だけど心の何処かで生きてるって信じたいんだ


「     」


その言葉の意味を知りたい、教えてよ

ずるいよ、自分だけ想い伝えてどっか行っちゃうとかずるいよ。こっちはまだちゃんと伝えてないのにどうして勝手にいなくなるんだよ

スタンに担ぎ込まれ飛行竜に乗り込まれた

そこからの記憶があやふやだ、皆が何か言ってて飛行竜が落ちて…あんまり覚えてないや


「許さない、絶対にリオンの敵をとってやる…!!」


え、今何て言ったの?


リオンの…敵?


意識を無理やり覚醒させる、その言葉に俺は心が傷んだ

ふざけるな、エミリオはお前らの所為で、死んだと当然なんだ、何が敵だ


「スタン…」

「セレンもリオンのかた…」


ゴツと重い音がスタンの顔から聞こえた。俺がスタンの顔を全力で殴ったからだ

当然周りの皆も唖然。そりゃそうだろいきなり殴ったら誰でも唖然とするからね、驚いて当然だよね


「ふざけるな…何が敵だ、ふざけるなふざけるな!! リオンが死んだのはお前らの所為だろうがお前らが見捨てたんだろ」

「セレン…?」

「だったらお前が残れば良かったんじゃないの?」


目に生気が無いのが自分でも分かる。周りも俺を見て怯えてるのも分かる











あぁなんだこれは少女、いや導き者にとって最低なハッピーエンドじゃないか…最高のバットエンドじゃないのがちょっと残念だな








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