※放課後編(R18)





放課後、折原臨也は教室にいた。隣の席には彼の友人である岸谷新羅が座っている。

「ねぇねぇ!!臨也きいて!!昨日セルティがね〜!!」

「はいはい。分かったから。興味ない。」

「臨也ひどいっ!!」

新羅といつも通りの会話を交わしながらも、臨也は少しだけ緊張していた。静雄の朝の行為と言葉が頭から離れないのだ。

もう…シズちゃんのせいで…俺…ドキドキしっぱなしだ…

そんなことを思いながら、鞄に教科書を詰めていると、延々とセルティについてのろけていた新羅が不意にこちらを見て呟いた。

「そういえば!!最近の静雄のモテっぷりは目を見張るものがあるよね!!すごいよ!!とうとう他校からも女の子が押し掛けてきて静雄困ってたよ〜!!」

新羅のその言葉に一瞬思考がストップした臨也だったが、すぐにいつもの調子で思ってもない言葉を並べた。

「へぇ〜…あんなののどこがいいんだろう。全く理解できないよ。人間の姿をした獣だよ?単細胞で脳ミソ筋肉だし。シズちゃん死ね。」

「……やきもちかい?」

「新羅、どうやら君も死にたいみたいだね。」

そう言って、にこりと笑い臨也は新羅の首にナイフを突きつけた。

それを見た新羅は妙な悲鳴を上げながら、顔を引きつらせる。

「…お前らなにやってんだ…」

「ドタチン…」

「門田くんっ!!」

そこに現れたのは、二人の友人であり何かと世話を焼いてくれる門田だった。

「見て分からない?」

「分からんな…」

「か、門田くーん!!ちょ、臨也を止めて!!止めてあげて!!僕死んじゃう!!セルティーっ!!」

そう叫ぶ新羅を無視し、楽しげにナイフを弄ぶ臨也にやれやれといった様子で門田は仲裁に入った。

「落ち着け岸谷!!臨也も止めろ!!そろそろ委員会始まるから行くぞ!!」

「……は〜い。何かドタチンってお父さんっぽいよね…」

「は?」

「門田くん!!助かったよ!!さすがパパ!!頼りになる〜!!じゃ、僕はこれで!!セルティが待ってるからね!!あぁ〜…愛しのセルティ〜…」

「はぁあ!?」

二人のわけの分からない発言に困惑しつつ、深いため息をつくと、門田は臨也を連れて委員会へと向かった。


そうこうしてるうちに、委員会は無事に終わり、臨也は静雄が待つ教室へと向かっていた。

ちょっと委員会が長引いたおかげで、教室棟に残っている生徒は誰もおらず、遠くで部活動をする生徒の声が聞こえるだけだった。

これだったら誰にも見られることなく、静雄と一緒に帰れると、臨也は胸を弾ませていた。

「シズちゃーん!!お待たせ〜…って…あれ?」

教室のドアを勢いよく開けたその先に静雄の姿はなく、臨也は急に不安にかられた。

「シズちゃん……?」

静雄の名を呟きながらゆっくりと教室に足を踏み入れたその時、不意に後ろに気配を感じて振り向いたと同時に臨也は誰かに押し倒された。ちょうど後ろに教卓があったことで、倒れることは免れたが背中を少し打ち付けたようで痛みに顔が歪んだ。

「いった……っ!!なっなにする…ってシズちゃん!?」

自分を見下ろす見覚えがありすぎるその顔に、臨也は驚いて思わず目を見開いた。

「わりぃ…。てめぇを見たら我慢できなくなって…気づいたら押し倒してた…。」

そう言って申し訳なさそうに項垂れる静雄に臨也の緊張は緩み、ほっと胸を撫で下ろした。

「も、もう!!だからっていきなりこんな…!!びっくりしたよ!!怖かった…っ」

「だよな…。本当に悪かった…。」

本当に申し訳なさそうな目でこちらを見る静雄に臨也は何だか居たたまれない気持ちになる。

「…いいよ。シズちゃんだったら…俺…なにされたって…」

「…言ったな」

「え?ちょ、シズちゃん!?」

そう言った静雄の目に先程のようなしおらしさはもう欠片なく、かわりに欲に染まった凶悪な笑みを浮かべていた。

「なにしても俺だったら文句はねぇんだろ?臨也くんよぉお!!」

「な!?シズちゃん…っ!!ま、まって!!無理!!ダメ!!ここ教室っ!!」

ここにきてようやく騙されたと気づいた臨也は、慌てて静雄を引き剥がそうとするが、びくともしない。

「安心しろ…鍵はちゃんと締めた!!」

「そういう問題じゃ…あ…はん…んん…っ」

そんな臨也を無視して行為をすすめる静雄に流されそうになった臨也だったが、僅かに残る羞恥心と理性がそれを拒み抵抗した。

「ダメ…っ!!誰かきたら…俺……っ」

頑なに行為を拒む臨也に痺れを切らした静雄は、臨也の耳元に唇を寄せると、熱を帯び掠れた声で優しく囁いた。

「……臨也。好きだ…。もう我慢できねぇ…っ」

「……っ!!」

その声はまるで媚薬のように臨也の体に熱を持たせ、強い快感がはしり体が震えた。

静雄の低くて甘いその声に臨也が弱いということを知っていて、わざとそうした静雄だったが、臨也の白い肌が薄紅色に染まり、艶を帯びたその表情をみて、急激に欲が高まるのを感じ、理性が崩壊しそうになるのを抑えるのに必死で、本当に我慢の限界に達していた。

「はぁ…ん…シズちゃん……いいよ…今日だけ特別だから…俺のこと好きにして…っ」

臨也のその言葉に決壊ギリギリだった静雄の理性はあっさりと崩壊し、ただ本能のままに臨也を求めた。

「臨也…っ!!」

「ふ…んん…っ」

噛みつくような激しいキスに息を吸うのも忘れて、お互いを求めあう。

臨也は静雄の首に腕を回し静雄はそんな臨也を強く抱きしめ深く貪りあった。

どちらともつかず唇が離れ、静雄は臨也の制服をはだけさせ、自分のシャツのボタンを外した。

露になった臨也の白い肌に静雄は赤い所有の印を残していく。

「あ…ん…っ!!シズちゃん…見えるとこに跡残さないで…っ」

「てめぇは俺のもんだって印だ。見せつけてやればいいだろ。虫除けになる。」

「そ、んなぁ…あ…ぁん…っ」

「てめぇは俺ばっかモテてるとか思ってるかもしれねぇが…てめぇも大概だからな。俺だって嫉妬してんだぞ。」

「う…そ…シズちゃ…ん…ひやっあぁっ!!」

いきなりの強い刺激に臨也は思わず高い声を上げ、慌てて口を押さえた。

「声…聞かせろよ。」

そんな臨也をみて静雄は不満げにそういうと、しっかりと主張している胸の尖りに舌を這わせた。

「んん…っ!!」

「てめぇのここ…気持ち良さそうに固くなってるぜ…」

そういいながら執拗に刺激を与える静雄に我慢できなくなった臨也は瞳に涙を浮かべた。

「ひ…ぁ…もうやめ…そこだけ…やぁあ…」

「じゃあ…次はこっちだな…」

「い、やぁあっ!!」

そういいながら静雄は素早く臨也のベルトを引き抜くと、下着ごと全て取り去った。

「ここ…もうこんなになってるぞ…」

「あ、あぁあっ!!だめっ!!やぁああっ!!」

卑猥な水音をたてながら自身を上下に扱かれ、臨也はたまらず声をあげた。

「もうイキそうだな…」

「はぁんっ!!あぁっ!!出ちゃうっ!!シズちゃんっ!!やらぁあっ!!」

「臨也…我慢すんな…イクとこ俺にみせろよ。」

「ふぁあっ!!や、やぁあああーっ!!」

静雄のその言葉に呆気なく臨也は精を吐き出した。静雄の掌が白濁に濡れる。乱れた呼吸で余韻に浸る臨也に静雄は余裕のない顔で囁いた。

「臨也…後ろ向いて足開け…俺ももう限界だ…」

その言葉に臨也は無言で従い、静雄の方を振り向いた。

「慣らさなくていいから…もう入れて……っ俺も早くシズちゃんを感じたい…っ」

「…っ!!どうなっても知らねえからな…っ!!」

静雄は素早くベルトのバックルを外すと、すでに立ち上がっている自身を臨也の秘部に宛がい一気に貫いた。

「ひあぁぁーっ!!」

「は…っ!!」

声を上げる臨也に気遣っている余裕もないくらいに静雄は熱に浮かされ、すぐに律動を始めた。

「やぁああっ!!はげしっ!!シズちゃ…っ!!あぁ、あぁあんっ!!」

「臨也…っ!!」

二人はここが自分達の通う学校の教室だということを忘れ、激しい行為に溺れる。


「はあぁ…もう、ダメっ!!イクっ!!イっちゃうよぉっ!!」

「臨也…てめぇエロすぎ…っ!!くっ!!」

「やぁあっ!!あぁあああーっ!!」

臨也は矯声に近い声を上げ果てたと同時に静雄もまた強すぎる快感に精を吐き出した。




「…シズちゃんのバカ…。もう立てないよ…。しかも中出し…。最悪。死ね。強姦男。変態。」

後処理を終え、乱れた衣服を整えながら臨也は静雄に向かっていつものように憎まれ口を叩いた。

「……わりぃ。よすぎて余裕なかったんだよ…。おぶってやるから機嫌直せよ…」

それに対して静雄は自分が悪いと思っているのかキレることもなく、穏やかに接している。

「…甘いものも食べたいな。もちろん俺に見合う高級品ね。100円のアイスとか却下だから。」

「はぁ…。分かった…。何でもすっから…。他は?何かして欲しいことあるか?」

調子にのった臨也に対しても寛容な静雄は実に珍しい。そんな静雄をみて臨也も少し素直な気持ちになったのか、目を逸らしながらではあるが、ハッキリと自分の想いを伝えた。

「…………今日はシズちゃんと離れたくない…シズちゃん大好き…」

「……っ!!」

そう言って抱きついてきた臨也に静雄は目眩を起こしそうになった。

こいつ…可愛すぎるだろうっ!!

心の中で声にならない叫びを上げ、ちゃっかりお持ち帰りを果たした静雄だった。

デレた臨也の破壊力は凄まじい。



おわり





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