いち
「う、痛い・・・。」


いつの間にか寝ていたのか、目が覚めた。
ずきずきと痛む頭。高い音で鳴る耳鳴り。
いつも寝ているベットとは違う、硬い感触に驚いて跳ね起きた。


「・・・いやいやいや、なんでやねん。」


私が寝ていたのはどこにでもあるような普通の教室の床。
私がここに寝ていたことはどこにでもあるような事ではないが、それは置いておく。
暗い中立ち上がり、目を擦りながら辺りを見回す。

暗闇に目が慣れた頃、等間隔に並べられた机と椅子や壁にある黒板や時計が見えた。後ろには掃除ロッカーや学級文庫置き場もある。


「き、教室・・・?」


ふと、違和感に気付く。あれ、私は先輩たちと一緒に学校から帰っていて・・・。
そこからの記憶が無い。
一緒に居た皆は? なんで学校の床に寝ていたの? それに・・・。


「ここは、私の学校じゃない?」


窓から見えた風景に、ぽつりと呟く。
そこには、うちの学校とは違うグラウンドが広がっていた。
グラウンドの奥は、暗闇で見えない。
ぱっと見た限りでは、校舎の造りも違う。

とにかく、嫌な予感がする。先輩たちを探して早く帰ろう。
そう思い、肩に掛けていたスクールバッグを探すと床に落ちていた。
拾い上げ中を手であさって確認するが無くなったものは多分無い。
え、教科書? そんなの今頃、私のロッカーの中です。
次に、スカートのポケットの中を手で漁ると、触り慣れた感触。


「よし。スマホも無事だね。」


暗闇の中で、いつもと変わらずに光るそれが目に痛い中、掛けていたロックを解除して気付いた事がいくつか。
まず、時間は頼りにならないと言う事。
今は56:29だそうだ、んな訳あるか。
あとは、身に覚えのないアプリがインストールされていること。
それにここは圏外みたいだ。
lineできないじゃん、と呟きつつ、とりあえず《school game》と書かれたそのアプリを起動してみた。



prev next

bkm


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -