偵察しました!

「...まあ、いいんじゃねーの。」

『お褒めに預かり光栄だ!』


部活が始まる前、昨日偵察に言ってきた結果をまこ先輩に見てもらう。監督さんは大変ですな! うんうん。

まこ先輩にくしゃっと頭を撫でられて、自然に頬が緩む。よくやったって事だよね! やったね!

ま、ダメだった事なんてないんだけどね! 



「刹那お疲れ〜。」

『原先輩抱き着くな!』

「酷い! 一哉くん泣いちゃう!」



まこ先輩に頭を撫でられていると後ろから原先輩登場!

抱き着かれ、そのまま頭に頭を乗せられる。

身長差解せぬ。10cm分けろ!



「刹那さん、昨日はどこに行っていたんですか?」

「じゃ、行ってくるね! ってどっか行っちゃったからびっくりしたんだぜー?」

『あ、成君とてっちゃんに言ってなかったっけ! 昨日はねー。』

「練習試合の相手のデータを取って来たんだよな。」

『康先輩正解! 頑張ってきましたよん!』



私がぐっと親指を立ててウインクすると康先輩に真顔で返されたw

真顔ウインク怖いよ!


それはともかく、私にかかればどんなデータも根こそぎGETなのだよ☆

『分析する眼(アナリシス・アイ)』舐めんな!

まあ、自分がこんな能力? みたいなの持ってる事、前まで知らなかったんだけどねー。

皆見れば分かるんだと思ってたからなぁ。いやぁ、あの頃は若かった!



『んで、まこ先輩! ミーティング開きます?』

「あぁ、全員集合させろ。」

『らじゃ。えっとー、今度の練習試合出る人部室集合! それ以外は練習しててくださーい!』



練習している皆に向かって大きな声で呼びかける。

うぃーっす、とちらほら返事が聞こえたのを聞き届け、私も部室に移動する。

今回メンバー少なめなんだよね。ま、成君とてっちゃんが増えてるし、よく考えたらそうでもないか!



「刹那、データ集められたのか?」

『ザキ先輩! 私を舐めるでない! 分析する眼(アナリシス・アイ)だぞ!』

「え、刹那さん刹那さん。俺それ知らないw」

「僕も聞いて無いですよ。」

『あー、えへへ、忘れてた! 分析する眼(アナリシス・アイ)って言うのはー、私の能力的なものなのだ! どやぁぁあ!』

「誠凛のカントクの能力に似てるけど、こいつのは動きから情報を読み取るタイプで、向こうのは体を見て読み取るタイプだよな。」



私の足りなすぎる説明を補ってくれるザキ先輩まじおかん。

ありがとうザキ先輩。このご恩は忘れるまで忘れない!



「あー。分かりました。あんな感じなんですね。」

『使うとちょっとだけ疲れちゃうのが難点なんだよねー。動いてる人を真剣に眼で追い掛け続けるからさ。』

「目ぇ渇きそーだなw」

『あ、それあるあるだわ。集中しすぎて目が痛いみたいな!』



ん? あれ? なんか今の霧崎って最強じゃないですかね...!

眼の能力を持つ人が2人にー、影薄い子1人。

IQ180以上(1人は悪童)が2人に、さらに普通にバスケ上手いラフプレー要員が3人...!

最強じゃないですかー、きゃーすごいわー。



『えーっと、じゃ、ミーティング始めます。
まず、今回の相手は市波高校です。まあ、無名の高校なんでさくっとやっちまってくださいな!』

「ぶふぉw さくっとやっちまうのかよ!」

『うんうん。のーぷろぶれむだよ成君!
んで、この高校はどちらかというと防御重視です。その分攻撃が弱めかなー。
個人個人のデータも視てみたけど、脚力が全体的に高かったよ。
えーと、防御の中心は4番でした。キャプテンだし、この人潰れたら崩れると思う。』

「刹那、4番の気を付けるべき所はなんだ?」

『んー、全体的に見てもジャンプ力が一番厄介かなー。身長も190cmで大きかったし。
んじゃま、後はまこ先輩にお任せ!』



まだまだ情報あるんだけどね、全部言ってると長くなるからこの辺で終わり。

皆に簡単にまとめた資料を配り、目を通すように呼びかける。

正直こんな事しなくても勝っちゃうような気がするけどね。

ま、てっちゃんと成君の調整もするみたいだし。

皆がぞろぞろと部室から出ていく。早くも練習を始めるようですね、感心感心!

まこ先輩が配った資料に色々書きこんでるみたい。多分スタメン決めだろーなー。



『今回のスタメン決めたの?』

「最初はいつも通りのメンツだ。途中で和成とテツヤを俺と」

『まこ先輩出ないんだ。その心は?』

「和成にゲームメイクさせるからだ。あいつなら出来るだろ。」

『ほぇー。成君期待されてんね! あ、頼まれてたもん完成したよ!』

「ちょっと見せろ。......よし、大丈夫だな。」

『じゃあてっちゃんと成君に伝えてきまーす!』


まこ先輩お墨付きの資料を持って部室を出る。
ってありゃ、ドアが先輩方で塞がれてる。
うーん、選手もあそこだと部室行けなくて邪魔だよね。ギャラリー開けちゃおっと。
普段ギャラリーに入れないように閉まっている鍵を開け、先輩の方に歩いていく。


『えっと、ちょっと通してもらってもいいですか?』
「え、あぁ・・・。」


ささっと道を開けてくれたので普通に通る。ここでびくびくと通らない事がポイント! テストに出るよ!
そしてすぐに後ろを振り返って言う。


『それと・・・。』
「な、なに・・・!」
『いつも応援ありがとうございます! こんなに可愛い先輩達に応援して頂けてるなんて嬉しいです。ここだと見にくいと思いますので、ギャラリーにどうぞ。まこ先輩には私から許可を取りますね!』
「...え? やだ! 可愛くなんてないわよ〜! 刹那ちゃんの方が可愛いじゃん!」
「そうそう! うちの学年の男子からも人気だよ?」
「てかギャラリーいいの? いつも入れなくなってるよね。」
『か、可愛くなんてないですよ! 先輩方がお綺麗なので恐縮です...。
ギャラリーの方は開けておいたので大丈夫ですよ! ぜひどうぞ!』


はい、あの先輩達は私の味方になりました〜。はい拍手!
女ってちょろいなー。あ、男もだけど。


『成君、てっちゃん。ちょっといいかな!』
「おう、どした?」
『えっとねー、次の試合で試して欲しい事なんだけど。』


成君とてっちゃんに資料を渡す。


「んーと? 俺がてっちゃんの位置を把握、相手の死角に誘導...。」
「......なるほど、僕のミスディレクションを切らさない方法ですか。」
『そう! どうかなぁ。出来そう?』
「そうですね...見られなければ相手がミスディレクションに慣れる事もないので、上手く出来ればとても良い方法だと思います。」
『成君の負担も増えると思うんだけど...。』
「んー、難しそうだけどやってみっか! 面白そーだしな!」
『うん! ありがとー! じゃあ、練習よろしくね。裏にも色々書いてあるから、時間があるときにでも目ぇ通しておいて!』
「分かりました。ありがとうございます。」
「ありがとな!」


良かった良かった! 二人とも頑張ってくれたまえよ!
てかさ、さっきからなーんか忘れてるような。
......あ、健先輩がいない...だと?





2015.01.19



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