一度目の人生は酷くつまらなかった。
平々凡々で、当たり前の差支えのない日常を生きていたと思う。
愛を貰い、愛をあげ、そして愛を遺した。
けれど、神からの愛を貰うことは出来なかった。
痛みとともに目を覚める。
空気が肺を押し返しその中で「生きる為」に呼吸をする。
周りを確認したいのに、目が重く開かない。
ノドが痛い、目が痛い、全部…痛い…
勘弁してよ、そう思ったときふわりと暖かさが私を包んだ。
ぎょっと身体を跳ねさせるが頭を撫でられて、気持ちがいい。
けれど、どうして私は此処にいるのだろう。
私は…どうして…
記憶がある…
私は、あの日、天命を追えたのではなかったのか
執筆日 20130210