ゆかり様リクエスト!
戦国ifで関ヶ原。
師匠たちのこと
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何本も何本も矢が足に刺さって、肩に刺さって、痛い。
痛いなんて、思っちゃいけないけど、痛い

あぁ、もう、

こんなにボロボロじゃ・・・動けないよ・・・



『(あたま、くらっくらするなぁ・・っ)』



新しい毒でも使われたんだろうか、あぁでも、かすがを逃がせてよかった。
そうほっとするけれど、もう、限界だ。


息を切らせて逃げることも出来ない、
今、俺様に出来るのは・・


体中に刺さった矢を抜けば、血が流れて行く。
口元を吊り上げて、大手裏剣を手元で回した。



先生、俺様も遅くなったけど・・・もうすぐ先生の元に行くから・・・。





そう思い、足を動かした。



でも、だ



「動くな」

『っ!!』



身体に走ったのは懐かしい香り。
二度と、会えないと思っていた、その人のもの

身体を抱きしめられ、視界が黒に染まる。


断末魔と、肉を切る音、
矢を射る音、その他もろもろの戦ならではの音が耳に届く

耳に、届くだけ


視界には黒だけが見える。




「おい、いつまで抱き合ってんだよ。」

「颯斗、すまない、すべて任せて」

「ったく、まぁ久々の表舞台だから構わないけどな、」



そして、聞こえてきた声に、不意に泣きそうになった。


なんで?どうして



ゆるりと顔を上げれば、見えたのはあの頃よりも少しだけ髪の伸びた



『せん・・せぃ・・・っ』




俺様の大好きな人




執筆日 20130619






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