「巻き込んで、悪いな・・・」
「いいって・・・どうせ、俺たちはこうなる運命だったんだからさ。」
どうせ、死にに行くことはわかっていたつもりだった
隣に居る、颯斗もそれは同じだったらしい。
生まれは違ったが・・・育ってきた時間は一緒だった。
互いに競い合い、そして、なんどもぶつかり合ってきた。
けれど・・・今や俺の右腕はこいつ以外に居ない。
ただ・・・
「猿飛隊!全員に告ぐ。
今を持って・・・猿飛隊は解散する。」
俺たちの判断に・・・まだ若い、こいつ等を巻き込むのは胸が痛んだ。
もともと・・・上の奴等が俺たちを邪魔だと思いけしかけたことだ・・・
だったら・・・俺たち以外の命が散る必要は無い。
「終夜様!?」
「どういうことでございますか!」
周りから驚きの声が上がる。
けれど、俺は首を横に振った。
「お前たちの力がなくても、俺たち二人で充分だ。
な、颯斗」
「そーだぜ、
お前等は心配しないで里で次の戦に備えておけ。」
そしてそう言った。
巻き込まないための、唯一の方法。
それに、俺たちが死んだとして、跡を継ぐ奴等が居なかったらしょうがない。
だから、これが一番いい方法なんだ。
「かすががさ、」
「ん?」
「今日のこと知ってたって泣きつかれた。」
「そうか・・・」
「なんか、辛いよな、いつの間にか大人になってるのみるのって」
荷物を準備しているうちに言った颯斗の言葉に、「あぁ」なんて、返すことしか出来なかった
執筆20130127