縮こまっていた身体を伸ばせば背骨がパキパキと音を奏でた。首を回して、着流しからいつもの格好に着替えて周囲の気配を探るが、先生は…もう居ないみたいだ…
気配が家の中にない…また、一人ぼっち。
けれど、違うと言いきれるようになったのは先生はずっと一緒に居てくれるって約束したから。
だから絶対に大丈夫だよ、佐助なんて自分に言い聞かせる。
手櫛でさっさと髪を整えて大嫌いな髪を高くに結う。さて、今日は何をしよう…と考えながら
先生・・・任務のときは遅いから・・・
それに、修行もつけてもらえない・・・
『(薬草でも摘みに行こうかな…今度解毒剤の作り方教えてくれるって言ってたし…。)』
先生。
俺様の先生…
屋敷を出て、まだ薄暗い空を見上げた。
今日は、どこまで先生は行ってしまったんだろう・・・。
『先生、先生・・・どうかご無事で・・・』
ぎゅぅっと両手を握って、祈る。
元々、俺様には力は無い・・・
先生には勝てないし・・・
まだ・・・一人前にすらなっていないんだから・・・
だから、まだ、化け物のままなんだ・・・
先生の前だけなんだよ・・・ねぇ・・・先生・・・
『早く・・・帰ってきて・・・先生・・・っ・・・』
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執筆日 20130116