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私が立海を飛び出し、U−17に入ってから早2ヶ月たち12月。季節は冬・ふわり、綺麗な雪が降り始めた。その光景をみると跡部王国(キングダム)を思い出します。丁度、1年前の。あの頃は共に高め会うチームメイト達が一緒だった。ですが、今は・・・ここに、私一人・・・
ほぅっと息を吐いて、目を閉じた。
 




『・・・はい?』


軽い音をたてて手から滑り落ちたお箸が落ちる。
いけない、後で取りに行かなくては、と思う心と、驚愕してあたふたしてしまいそうな別別の感情が生まれながら目の前の彼を凝視した。
・・・一体目の前の彼は何を言っているのでしょうか?


『何故・・・私が1軍の方々との試合をするのですか?』
「そりゃ、つぇえからだろうが。」
『私、ボールの10個撃ちはいまだに出来ませんよ』
「るせぇ、黙れ、ほぼ別の場所に打ってそれを全部返す奴が何を言っている。」
『それは仁君もですよね?容赦なくすべて別のところに飛ばしてくるのは。一箇所に打つのは意外と楽しいんですけどね?』


落ちたお箸を拾って、テーブルにある新しいお箸をとった。目の前に居る彼は朝にもかかわらずモンブラン。別に構わないと思いますがちゃんと朝は食べた方がよろしいかと思います。
ちなみに言えば、仁君、と彼を呼ぶようになったのはつい最近。彼がNo.5のバッジを持っていると知ったときは納得してしまいました。


『・・・確かに今の時期、そろそろ大学や海外へ出る人が出てきますからね・・・入れ替えの時期ですが・・・』
「俺は今の番号を死守してるがな。」
『ふふ、鬼さん二号ですね』
「るせぇ」


ここに入る前に会った鬼さんとはそれきりお会いしていないが、あの頃の合宿中でもたしか仁君は鬼さんのチームで食らいついていた。
けれど実際だれが相手なのだろうと考える。

今日は今年最後の入れ替え戦。なぜならもうすぐ年明け、

皆里帰りのようなものをしますから、現3年生。越前君のお兄さんのリョーガさんはすでに海外に飛び立ってしまいました。
なんでも、越前君とまたテニスがしたいとか。なので今のNo.2は空白のまま。わたしはそこに入るメンバーを私はまだ知りません。


「秘歌理。」
『徳川さん?』


残りの朝食さっさと口に運んでいれば私にかけられたのはすでに聞きなれたハスキーボイス。顔を上げれば彼がそこに居て、「今から試合だ。行くぞ」と有無を言わせずに告げられた。


『・・・はい?』


話の内容が分からないと感じた私はきっと悪くないだろう




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