少女、家出




『あんたたちなんかだいっきらい!』


その言葉に寝込む男がいないかと思えばいてしまったのが悲しい現実である。
イタリアのとある屋敷に響いたその声は、この場所にはあまり似つかわしくないものだ。


「全く、酷いじゃじゃ馬に育ってしまったものだ」
「仕方がないだろう。あの血族であそこまでおしとやかになったのだけましだ」


 男たちが苦笑いで談笑する。
それこそ育ての親も同然だが、唯一の身内と引き剥がした張本人たちでもあるのだから、恨まれるのは致し方ないことだ。
だがしかし、孫のようにかわいがっていた少女からの突然の反抗期にはさすがに堪えるというもの。


「だが、行った先がジャッポーネか。なんの因果か」
「それでも「あそこ」にいかなかっただけまだ孝行娘じゃない」


一人立ちというのは早いものだ。
まだ12歳になったばかりではあるが、それでもやりたいことを一生懸命にやりと押そうとするのは血が争えないというものだ。


マフィアボンゴレ。
9代目ファミリーに育てられた一人の銀色の少女が日本に旅だった。


190110


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