029



それは恨みだったのか、悲しみだったのか…
今更知る由もないけれど…
影が導いたのは一体なんのためだったのか…

まだ誰もしることはない




芥川さんのことが会ってから数日がたち、私は再びここ、氷帝学園を訪れた。萩から「俺が届けようか?」といわれたけれど、首を縦には振らず自らの意思でここにきたのだ。

芥川さんと話して見たかったっていうのがある。2度目だが、ここに編入せずによかったと思う。

もともと青学に帰るつもりだったが、距離的にここ氷帝学園が近かったため、こちらでも良いといわれ、迷っての青学。いやはや・・・本当に青学でよかった。

警備員がいるから中には入れないが、連絡をすれば萩が芥川さんを連れてきてくれることにはなっている、その判断に感謝しつつ、ケータイを開こうとしたが、


「なにしとるん?お嬢さん」


いきなり後ろから酷く甘いテノールボイス。ババっとケータイをしまおうとしたら手の中で跳ねながら踊り、やっとキャッチしてため息をついて、顔を上げる。そこには心底驚いたように先ほどからいたらしいヒトは私を見ていた。


「お嬢さん、おもろいなぁ、」
『…どうも…』


それからそういわれて少し固まる。
面白い…とは…いや、先ほどの私の行動を見れば面白いに当てはまるのかもしれないが・・・。ククっと笑うその人に、少し嫌悪感が増す。

この人は「生きている」はずだ。なのに…なぜ…


「やっぱり俺のこと見えとるんやな自分。」
『…』
「たぶん、俺のこと生きとるやつや思って考えとりそうやね。あぁ、俺は確かに生きとるで、でもな・・・」


悩み、聞いてくれへん?



彼の口が、ゆっくりと動いて、私の首に手が伸びたずるっと、体の力が抜けて、なんだ、と思って身体を見れば、


『・・は・・・?』


す け て る
ぎょっとして前を見れば、「私」がいて「あー・・なんや若干失敗してしもた見たいやな。」なんていってる
どうして、「私」が関西弁でしゃべっているの?


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