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桜さく3月。
それは出会いの季節であり、別れの季節である。
無論、それは私にも当てはまることで・・・

胸に華をつけて、生徒達の花道を通って行く・・。


見送るのは私も一緒なんだけれど・・・でも・・・


『(あ・・・)』


見えた。

それに、トクンっと小さく心臓が跳ねる。

生徒会長・・・伊達政宗・・・

魅力的で、カリスマ性があって、たくさんの人に好かれた。
それは勿論・・・男女問わず・・・


『(先輩・・・)』


きっと彼は覚えていないだろう。
初めてあった日のこと・・・


『(初恋ってわけじゃなかったんだけどなぁ・・・)』


ため息をついて列から外れる。

実はといえばこの参列は自由参加。
のつど部活の先輩とか、好きな先輩に思いを伝えるためとか・・・

とにかく、まぁそんな感じだが・・



『(私には遠い話だからなぁ・・・)』


だって・・・どうせ彼は私の事なんて気にしているわけ無いしね。
うんうん。







自分で言ってて悲しいわ・・・










*-*-*-*-*-*-*-*-*



サワッと風がふく。
この寒さの中でもうっすらと先に咲いてしまった桜たちが揺れている。

まだ、散らず・・・ユラユラとゆれているだけ・・・。


私の心みたい・・・。



そう思って、とすんっと木を背にして座る。

さわさわと風が吹いて、髪を揺らす。
その風を感じるように目を閉じれば、何故か・・人の気配がした。


私のようにさぼりにでも来たんだろうか・・・

なんて思ったけれど、その気配は私の隣にまで来て、そのまま座って、私の肩に頭を乗せた。



・・・はい・・・?

ゆるゆると目を開いて肩を見れば、青みがかった黒・・・。


・・・黒・・・?


『!』


学ランにささっているのは卒業生の華。
何で・・・

肩を引こうとしたら、「動かすんじゃねぇぞ、サボり魔」なんていわれて固まった。

いや・・あの・・・


『っな、にして・・・』

「Ah? 黙ってろ」

『いや・・・あの・・』

「こっちはさっきまで女どもに囲まれて疲れてんだよ。」

『え・・・』



固まる。
確実に、この人は私の思い人であって・・・本来なら此処に居ちゃいけない人だ。
なんで・・・



「俺の探してたKittyはいつの間にか居なくなっちまうし・・・探してたら一人でサボリとはいい度胸だよな。」

『あ、あの・・・』

「ったく・・・
 忘れてるとか卑怯すぎんだろ・・・

 リナ、アンタ先約とかいんのか?」

『ちょ、あの・・・』



なんて、そんな私をよそに、そういって、頭を肩からどかした、


目と目があう。



「まぁ、居るにしろ、いないにしろ、こいつはあんたにやる。」

『ぁ・・・』


それから、パサリっと落とされたのは彼の学ラン。
きっちり、ボタンは全部残っている。

立ち上がったその人は唖然とする私の額にキスを落とすとそのまま手をヒラヒラとさせて校門の方へと歩いていった




*-*もしも政宗が先輩なら*-*


《あ・・・連絡先ポケットに入ってた・・・》
(ったく・・・世話のかかるKittyだぜ・・・)


*-*-*-*-*-*-


絶対にこうなると思うんですよね!
私は!私はですよ!!

いいよね、このままリア充になってしまえ!←


執筆日 20130305


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