絶命した。

そう言ってしまえば一瞬だろう、
人の命が消えるのは本の一瞬。

そして、それは長い時間を一瞬にして奪ってしまうもの。
愛するものをおいて、逝くのはどれだけ辛いことか、

六爪を鞘に戻しそして私を種子島から守るようにたっていた小十郎をどけて、地面に転がった浅井の兜を拾い上げる。


ボロボロになり、一部はかけてしまったそれはそれでも、生きた証。



「小十郎。」



前を見すえたまま小十郎に、その証を託した。
それを受け取った小十郎は静かに私の名を呼ぶ、けれど振り返ることは無い。



『また、テメェか・・・』



吐き出した声は、低い。
歩み寄れば私を見るあの狂った男の顔は高揚としている。



「ククク・・・戦場への乱入は、あなたの専売特許でしたね。それにしても・・・」



ピタリと、アイツの鎌の届かないその位置まで言ってから足を止める。
ニヤニヤと、私の足から頭までをじろりと見て、また笑う。



「一発も当たりませんでしたか・・・並外れた悪運をお待ちのようだ。」

『・・・魔王の手先が・・・』



あの男の背後にはいまだ銃口を向ける足軽たちがいる。
だが、そんなのは関係ないんだ。



「お待ちください、政宗様!!」



小十郎が背後で叫びを上げる
だけどな、ごめん。

どうしても…



『テメェ等の盾になって闘った人間を、敵もろとも後ろから狙うなんてな…



 やっていいことと、悪いことがあるぜ…っ』



どうしても…許せないんだ…!
ふわりと、蒼が広がっていく…



「ククク…起こっていますね、独眼竜…」



しゃっと大鎌が回される。
口元が釣り上げられて…そのまま楽しそうに、笑っていた。


「少しだけ、遊びましょうか…」

『…OK』



一振りだけ、刀を抜いて構えて、言い放つ



『Let's Of Luck!』



地を蹴り上げて明智光秀へと刀を振り上げる。
刀を交えれば交えるほど変な奇声を上げる明智が気持ち悪くて、



『っあんた、なに酔ったみたいな顔してんだよ』

「決まっているでしょう。
 余韻に慕っているんですよ。」

『っ!』

「愛しあう者たちの断ち難い絆を踏みにじるほど、楽しいことはありません」

『ッアンタ…っ!!』



ガキンッ

金属同士の音が響き、宙を銀色が舞う
ただ、そのまま地面にきれいに着地して、



「それに勝る喜びがあるとすれば、貴女のような男勝りな女を、啼かせることでしょうかねぇ」

『っ!!』

「命乞いする姿も、また一向…」



なぜ、

ゾクリと背筋が凍る感覚がした。



「さぁ、宴と参りましょうか」



どこまでも、こいつは、気持ち悪い。



どこの変態だ、
それとも、魔王とかかわるとこう、性格異常になるのか、



執筆日 20130910

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