一年の月日がめぐり
『うわぁああ!!三成頼むからここにココアは持ち込むな!!』
「何を言っている、半兵衛様が疲れた時には甘味を食せと言っていただろう」
現在2年に上がった二人は生徒会に入った。
言わずもがな、それは徳川千代と石田三成であって・・・・
もともと生徒会は
2年主体の3年補助のような委員会であり、二年にあがった二人は生徒会所属の教師である秀吉と半兵衛の推薦により生徒会に入った。
そして次期会長候補として動いてはいるのだが、多少の食い違いはある。
まぁ仕事関係ではなく、主にこういうことだが…
「ふふ、またやっているのかい?」
「半兵衛様!」
『え、あっと…』
ガチャリと扉が開いてそして二人の様子を微笑んでみていた半兵衛。
はっとしたように視線を逸らした千代だが、くすくすと笑う半兵衛はそのまま三成が持っていたコップを手に取った。
「三成君、前にも持ち込んでそのまま転寝してココアを書類にこぼしたよね。」
「っ!」
「千代君はそれを危惧してるんじゃないかな?」
それからそのままの笑顔でいうものだから、三成は目を見開いて一歩後ずさる。
その件についてはこっぴどく三成は半兵衛に叱られていたのだ。
小さくなる三成を見て千代は小さく苦笑いをするが、三成の腕に付けられたその紐を見て、微笑む。
あのころのように、けれど、あの頃以上に…
「千代!!貴様何を笑っている!!」
『あははっなんでもっない!』
「そのわらいをやめろ!」
『無理、無理だ!あははっ』
「まったく、千代君、かわいそうだからそろそろ」
『秀吉公に今の話してくる!』
「「千代!」」
ばたんっっと勢いよく生徒会室の扉を開けて飛び出した。
声を張り上げてそんな千代の後を追う
「まったく…あの二人は相変わらず元気だね…」
部屋に取り残された半兵衛はそうつぶやいて三成が飲むこともなかったココアに口をつけて…
けれどその表情はひどく嬉しそうだった
執筆日 20130822
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