するりと、手首にかかる向日葵のような黄色。
千代の色だ。
秀吉様の命日に休んだその日に買ってきた土産。
今の今まで開けてはいなかったが、ふと思い出して開けてみれば、
たしかにそこには…
多少素材は変わろうとも、千代が私にあの頃渡した、それが入っていた。
それを腕に通したわけだが、たしかに私には似合わない色だ。
だが、ついている飾りは派手すぎず丁度いい。
千代は、やはり驚くだろうか?
「どうしたんだい三成君。」
「はっ半兵衛様!?
い、いえ…その…」
「ん?
…あぁ、千代君のことかい?」
「っ!?」
考え事をしたまま歩いていれば突然声をかけられ、反応できず、
振り返ればやさしい表情をする半兵衛様がいて。
そして言われた言葉にはくはくとただ口だけが動いた。
「千代君にも記憶はあったんだね。」
「っはい。」
「ふふ、じゃあ今度は秀吉といっしょに千代君に会いたいな、」
「では!すぐによんできます!」
「いいよ、それに関してはもう長曾我部君に頼んだから一緒に待ってようか。」
あぁ、だが、私の手元を見た半兵衛様がまた笑って、
執筆日 20130815
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