「小十郎、それ本当か?」

「はい、千代は自白しましたから。」



小十郎が帰ってきて言ったのは、俺にとって誤算で、だが、喜ばしいことだった。

千代には生まれつき記憶がある。
つまりは、昔のように接することが出来る。

そういうことだ。

っつーか、先読みしすぎだろ・・・。



「ただ、問題は・・・」

「Ah?」

「風魔が見つけてきたのですが、」



差し出された紙は、信じられねぇもんだった。

あぁ・・・だが・・・



「あいかわらず、

 一人で溜め込むの好きだな、家康。」



予想していなかったわけじゃない。



あいつが、自分から身を引こうとすることを





問題は



「凶王、か」



執筆日 20130708



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