「石田殿っ、女子とは何を差し上げればよいと思いまするかッ!?」

「・・・。」



真田が突然私へと言った言葉に睨みを聞かせた。
だが、部活中に何を言い出すかと思えば・・・



「私に聞かずとも、いるだろう。
 伊達や片倉に聞いたらどうだ。」

「だ、駄目にござる!!
 二人はとうぐ・・・いや、あの・・・」

「・・・まだ引きずるのか」

「・・・面目ありませぬ・・・っというわけではなく!!」


ばんっと畳を叩いた。
そして、むっとしたように私を見た。



「千代殿の・・・その・・・す、好きなものを・・・聞くのは・・・石田殿が一番にござろうと思って・・・」



だが、告げられたその言葉に私は手元にあった竹刀を突きつけた。
勿論、それは手前で止めた。

真田は、ただ、私を真剣な目で見ていた。



「某、・・・真田幸村。
 かつて、400年前より家康殿・・・いえ、今は千代殿がほしゅうてほしゅうてしかたありませんでした

 あの方には、昔から石田三成という方がおりました。
 仕方ありませんでした。

 彼の者に辿り着く前に某は散ってしまいましたが・・・
 ですが、今は1からはじめれば某にも勝機はあると思いませぬか?」



迷い無く、吐き出されるその言葉に、目を細める。

真田は、私と同じ意味を持っている。




なぜ・・・・



なんでだ・・・



執筆日 20130610



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