「・・・」



伊達の言った言葉が・・離れない


自ら死を選んだ千代。


だから・・・あんなにも早く・・・あの場所に落ちてきたのだろうか・・・

そして・・あんなにも遠くにいたのだろうか・・・



何が・・・千代をそんなにも狂わせたのか・・・苦しめたのか・・・


私には、理解できない



理解・・したくない・・・




「やれ、三成
 また、千代のことを考えておるのか」

「・・・あぁ」



刑部は私を愚かだと笑うだろうか
己を殺した女を慕い・・・そして・・・


今もなお、ここでこんなにも悩んでいるのだ



「私は、愚かだろう? 刑部」



刑部は私を見ていた、ずっとだ・・かつても・・・今も


復讐が為に生きていたのにもかかわらず、私は憎しみなんていたいていなかった。



「主の好きにすれば良い」

「・・・刑部」

「主の人生よ、主の好きに生きよ」



あぁ、だが


私はよきともに恵まれているようだ




執筆日 20130605



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