北の竜が、かの覇王を討ち倒した。
魔王、覇王と続き天下はまた宙ぶらりんの状態、振り出しにもどってしまったのだ。
それが良かったのか悪かったのか、誰にもわかりやしない。
けれど、
絆の力だと立ち上がるものがいた。
亡き覇王のため、敵を討とうとするものがいた。
宿命を砕こうとする者たちがいた
企てを企む者がいた。
命を救われた物がいた。
命を救ったヒトがいた。
赤を求める龍がいた。
そして
心を壊した姫君がいた。
ガラス玉の瞳が空に輝く上弦の月を眺める。
大阪城。一室。
伸びた髪をそのまま流し、ぼーっとその月明かりに照らされる一人。
感情のこもっていない瞳は何を告げているのか。
「やれ、ここにおったか」
ふわりと御輿に乗り現れるのは豊臣軍、もとい、石田軍の軍師である大谷吉継。
かけられた声に、振り返りはするものの言葉を発することなく、ただ、見つめている。
「主には、不幸の星がさんざめく降り注ぐナァ」
真田幸よ。
壊れたものは壊れたままだと、誰がいったのか。
業を背負った姫君は解放されることはなく、その小さな背に更なる業が重なっていく。
そうして、彼女が選択していくなかで、何が変わって、そうして生まれるのか、
今はまだ
誰にも知られることはない、
これは、物語の休止符だから。
彼女ノ業ノ物語ハ、選択ヲ迫ラレル
20170807(end)
to be continue?