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全部話すことは出来なかった
ただ私が三成さんの言う通り、この世界の人間ではないということ、そして……神隠しのようなものにあったこと
それを話した
三成さんは終始無言だった。
驚いてるのかそれともそれ以外か彼はずっと私の話を聞いてくれた。
ただ今の私にとってその無言は拷問のようなものだった。
戯言。
現実味のない話
それでも私はただ聞いて欲しかった。
どれぐらいそうしてたのだろうか
この世界の人間じゃないこと、鉄の塊で死んだこと
三成さんが私の話に質問だ、と言ったのは豊臣が秀吉様が、天下統一をしたかどうかだった。
私は、ただ首を横に振って私の知ってる歴史と違う、と、そう答えた
納得してないかもしれないがないが、むしろ今の現代人が退化しているといっても過言ではない。
例を上げたら切りがないが秀吉様の体格だったなら、確実に世界チャンピオンだ。
「貴様は元の世界に帰りたいか」
けれど、いわれた言葉に固まった。
帰りたい、たしかにそう思ったけれど
『今はもう少しここにいたい、なんて思うですよね』
あっちの私は死んでいる、からか私の心はひどく冷静だった。
まぁただ心配事もいくつかあるわけで……
「貴様はもう豊臣の一員だ。
秀吉様の許可なく帰す神など、私が残滅してやる」
『それは心強いですね
よろしくおねがいします、三成さん』
でも今の私にとってここはすごく大切な場所なんだと思う
だから私はできればこの先の戦が本当におこらないことを願っていた
出来れば秀吉様と半兵衛様と三成さんと家康が、皆で笑いあう平和な世になって欲しかった
執筆20130310
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