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その石をただ、見つめて居た私を、何を思ったのかずっと三成さんは私を見てた。
私も彼を見れば、少し難しい顔をしている気がした。
否、いつも彼は無表情だが・・・
「貴様は光の中から現れた。」
『え・・・』
けれど、いきなり言われた言葉に首をかしげる。
いきなり何を言い出すのかと思えば、それだ。
いや… 光の中からってRPG・・・
結論から言えば、この世界のほうが私の目から見れば普通じゃないのだが・・・
『光・・のなかから・・・?』
「・・・あぁ、血まみれでな。」
けれど、それが彼が私を拾った経緯なのだろう。
それはそれでいろいろと突っ込みどころがあるのだが・・・
彼になら・・・言ってもいいだろうか・・・
『・・・三成さん。
聞いてくれますか?』
「・・・何?」
『私は・・・この世界の人間ではないのかもしれません。』
「・・・」
そりゃ いきなり
この世界の人間ではありません、なんて言われたら 誰だって戸惑うのは仕方がないと思う
それでも私はこの世界とは違う平和な世界から来たのだ
だったらもう仕方ないじゃないか
彼は私が現れた経路を教えてくれた
だから私だって ホントの事を言うのが筋だと思う
黙りこくてしまった三成様に視線を向ける彼は少し難しい顔をしていた
けれど視線私に戻しそれがどうしたと言わんばかりの顔で私をみてくる。
そう言えば三成様はこんな人だった。
「貴様は秀吉様の敵ではないだろう」
『勿論です』
「ならば良い」
自分の事よりも大切な人のこと為に精一杯尽くす
それがこの人だ
『聞いてくれますか?』
吐き出した声は僅かに震えた。
仕方ない女だろうと彼の神は笑うだろう。
それでも隠し事なんてしたくなかった。
私は異端者だ
この世界で殺されるだろう
それでも私は
私の存在を認めて欲しかった……
執筆20130310
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