想イ輪廻 | ナノ

03


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暗い、部屋。
どうして、こうなってしまうんだろう。


月明かりの明かりしかないこの場所に、私は居た。

服装は、着流し。



ただ、私は畳に寝転がって、その月明かりに照らされていた。



私の知っている空と一緒。

私の知っている月と、星と、太陽と・・


全部一緒なのに・・・



ここにいる私は、未来を知っている。



それって、おかしいよね・・・
そんなのずいぶんまえにしってた。



ソッと、目を閉じればまだしっかりと思い出せる家族の姿。


確かに、裕福とは言いがたい生活だった。


部活もやって、勉強も一生懸命で、バイトも頑張って、

それで・・・あの日、私は死んだ。



私が死んだ後、みんなはどうしているんだろう。


この世界と一緒に時間軸が回っているのだとしたら・・・・もうすぐ・・・4ヶ月も5ヶ月もたつのか・・・


確かに、この世界は私から見れば過去の世界であるけれど・・・
でも・・・イレギュラーな私


いつ堕ちるのか分からないけれど・・・

いくつも命を散らせてきた。
たった、数回の戦で・・・だ・・・



ゆっくりと身体を起こせば、少し伸びた髪が肩にかかった。




それから、手元にあった笛に手を伸ばす。


夜中のこんな時間に吹くのは近所迷惑だとは思うけれど・・・気を紛らわせるためには仕方が無いことだ。




「弥月。」

『?』



構え、吹き始めようとしたときに、外から声がきこえた。

聞き間違えることの無い声に、笛を下ろす。




『どうかしましたか、石田様。』




滅多に、自分から私の元に来ることの無い彼だった



執筆日 20130308


 
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