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暗い、部屋。
どうして、こうなってしまうんだろう。
月明かりの明かりしかないこの場所に、私は居た。
服装は、着流し。
ただ、私は畳に寝転がって、その月明かりに照らされていた。
私の知っている空と一緒。
私の知っている月と、星と、太陽と・・
全部一緒なのに・・・
ここにいる私は、未来を知っている。
それって、おかしいよね・・・
そんなのずいぶんまえにしってた。
ソッと、目を閉じればまだしっかりと思い出せる家族の姿。
確かに、裕福とは言いがたい生活だった。
部活もやって、勉強も一生懸命で、バイトも頑張って、
それで・・・あの日、私は死んだ。
私が死んだ後、みんなはどうしているんだろう。
この世界と一緒に時間軸が回っているのだとしたら・・・・もうすぐ・・・4ヶ月も5ヶ月もたつのか・・・
確かに、この世界は私から見れば過去の世界であるけれど・・・
でも・・・イレギュラーな私
いつ堕ちるのか分からないけれど・・・
いくつも命を散らせてきた。
たった、数回の戦で・・・だ・・・
ゆっくりと身体を起こせば、少し伸びた髪が肩にかかった。
それから、手元にあった笛に手を伸ばす。
夜中のこんな時間に吹くのは近所迷惑だとは思うけれど・・・気を紛らわせるためには仕方が無いことだ。
「弥月。」
『?』
構え、吹き始めようとしたときに、外から声がきこえた。
聞き間違えることの無い声に、笛を下ろす。
『どうかしましたか、石田様。』
滅多に、自分から私の元に来ることの無い彼だった
執筆日 20130308
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