想イ輪廻 | ナノ

04


(31/45)





宴を抜け出した。

何故って・・・一番は酒のにおいに耐えられなかったから。
一応半兵衛様には言ってきたから大丈夫だとは思うけれど



『・・・涼しい。』



小さく呟く。
さっきまで人口密度も高かったから余計にそう思えるんだろう。

顔を上げれば見えるのは満月。

そういえば上弦の月は政宗の・・・というよりも、伊達軍のイメージがあるけれど・・

満月は・・・多分・・・



『石田・・・三成・・・』



あの人のイメージがある。

闇の中にある光。
私の勝手なイメージだけれど。

でも・・・暖かい光を・・・あの人の心は持ってる。


それを表に出せないだけで、でなきゃあんなこと言ったりしない・・・


 

『って・・・今思えば、すっごく恥ずかしい・・・。』




小学生以来だ
あんなの・・・しかも、一応上司の前で・・・なんて・・・

思い出すだけで顔が赤くなる。
お酒のせい(いや、一滴ものんでないが)にしてパタパタと手で仰ぐ。


でも・・・随分と私もこの世界に慣れたと思う。


最初の頃はアレだ・・・うん。
部屋から出なかったし・・・


まだ、二月ぐらいしか居ないのに・・・


あーうん・・・どうなんだろう。



「弥月。」

『うっわ!!
 ・・・こ、じゅうろうさん・・・』



ボーっと思いにふけっていたら、私にかけられた声。

気配に気がつけなかったから上ずった声を上げてしまったが、確認する為に振り返れば、そこには渋い顔をした小十郎さんの姿。



『ご、ごめんなさい。』

「いや、俺も悪かったな。」



おもわず謝れば、小十郎さんからも謝罪される。
でも、小さくお互いに笑って、彼はそのまま私の横に座った。



「気配には疎いんだな。」

『そういうこと言いますか?
 第一に私の事監視する忍なんて居ないでしょうに』

「わからねぇぞ、
 実は屋根裏に居たりしてな」

『耳はいいんで、物音がしたら撃ちます。』

「・・・」



にこっと、私的にちょっとまずい発言したと思う。
うん、仲間だったら身内殺しですから。

敵だったらお手柄だけど。




「まぁいい、用があるのはこれだ。」



なんて思ってたら、差し出されたのは、横笛だった。



執筆日 20130306


 
//


×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -