その日はなぜか眠れなかった。
ベッドでもぞもぞしていると隣に寝ている彼か
「寝れないのか」と言われ、しまったと思った。
仕事で疲れているからなるべく
気付かせたくなかったのに
結局は気を使わせてしまったのだ。

「うん、なんか寝れない」

「話でもするか」

「めずらしいね外にでも行く?」

「ああ」

そういうと彼はすぐに立ち上がって
バルコニーへ出た。

二人で椅子に座り、夜空をみあげると
星はこんなに綺麗だったのかと思うような
なんとも言えない夜空だった。
冷えるといけないからこれかけとけと
彼は私にまた気を使って、さて。と話はじめた。

「そういや、お前最初は俺じゃなくて宍戸が好きだったんだよな」

「また、懐かしいことを・・」

「俺様が惚れたのも最初はどうにかしてると思ってたんだよ」

「だろうね」

「なに笑ってんだ?」

「いや、結婚なんてするとは思ってなくてさ」

「俺もだ」

出会ったのは中等部。でも互いに顔は知ってる程度で
高等部にあがったくらいから話すようになって
二年のときから付き合い始めた。

「私ね、景吾みたいな人は生まれたときからきっと
 結婚する人は決まってるんだろうなーとか、
 女の人は選び放題なんだろうなーとかずっと思ってた」

「あながちまちがっちゃいねーよ」

「でもなんであんなあっさりお母様とお父様は認めてくれたの?」

「お前と付き合ってる時からちゃんと報告してたんだよ」

「初めてきいた」

「そうか?言ったつもりだったんだがな」

「聞いてないよー、多分ね」

「話は変わるが・・・」

「ん?」

突然彼は私の方をじっとみつめてきた

「なまえ・・・」

「はい?」

「俺と結婚して後悔してないか?」

ずっとそんなことを思っていたのだろうか。

「覚えることはたくさんあって大変だけど
 後悔はしてないよ、むしろ良かったなって思ってる」

「ありがとう」

「うん」

「もうそろそろ寝るか?」

「そうしようかな・・・あんまり身体冷やすと赤ちゃんによくないし」

「そうだな、無理はすんなよ」

「分かってる、ありがとね」

おやすみ
(これからもずっと幸せにすると誓うから)





    

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