柳生君が紳士なのは大きな間違いだ。
私にはわかる。彼は紳士なんかでは
ないのだと。もちろん彼が部活で
仁王雅治とイリュージョンとかいう
わけのわからないことをやっているのは
知っているうえでいっているのだ。

柳生比呂志が紳士?ないないない。

「まーたお前さんか」
懲りんのう・・といいながらため息を
つくのは怪しい匂いしかしない
仁王雅治だ。すこし香水をつけているの
だろうと思うような香りが漂っている。
「んでさ、柳生の弱みってなに」
「教えてやらん」
はぁ?!と大声を出すのはもはや日常といっても
過言ではないのだろう。むしろまたお前かという
目線を一日に何回かは浴びる。

「そのちんちくりんなちょび毛と似てるわあんた」
「可愛げのない女に教えるほど暇じゃないんでの」
と言いながらも仁王は今から寝ますというように
机に突っ伏している。
「可愛げないのは結構、ほら暇ならさっさと教えなさい」
「知ってどうするんじゃ」
知ってどうする・・?どうするんだろう
私はただ紳士って言われてるけど私には
なぜか厳しかったり優しく無かったりする
柳生への周りの評価が気に食わないだけだ。

ただ、興味本位で柳生の弱みというものがあるのなら
知ってみたいと思っただけだった。

「仁王くん」
「噂をすれば柳生か」
「あぁ、みょうじ・・・さん」
「さりげなく呼び捨てにしようとしたよね」
「お前さんの弱み知りたいんだと」
「はぁ・・・」
「教えてやりんしゃい」
「嫌です」
「ほらはよ行け、俺は寝たい」
「行こう柳生くん」
「仁王くん、恨みますよ」
そういって柳生くんがいっても
仁王はなにも言わなかった。いや
寝たフリをしていた。


「で、弱みってなに」
「絶対に言いたくなかったんですが」
「はい」
「あなたが好きです」
「は・・・い」

きっと待てるのは三秒
(それはイエスでいいですよね)


    

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -