今日も2年前から同じことを繰り返す
毎日毎日部活が終わり帰っては
彼女を想い手紙を書く
存在するはずもない彼女宛への手紙
存在するはずないというのはふさわしくない。
存在していたが正しいのだ。
彼女と出会ったのは今から4年前
中学二年生の春だ。
「柳くん、ごめんなかなか集まらなくて」
申し訳なさそうにプリントを自分のできるかぎり
集めた彼女はうつむきながら俺に言った。
すこし不器用そうに見えたところがまた少し
かわいらしく思えたのだ。
そこから俺達が互いを求める様になったのは
すぐだったが、彼女から突然別れをつげられた
「好きだけど別れてほしいんだ」
「なぜだ」
「入院しなくちゃいけないから」
彼女との会話はこれで最後。
その半年後にこの世を去った。
それから俺は彼女への手紙を欠かさず書いている
かわってゆく景色、仲間、自分の事
きっとまだなまえが自分のことを愛してくれていると信じて
拝啓 みょうじ なまえ 様
そちらはいかがですか?
僕は元気です
(でも貴女がいなくてさみしい)