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腰にキス



2019/05/23『キスの日』SS
固定創作主的描写あり。
※SMプレイを匂わせるような描写あり。


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ぬるい倦怠感が、俺の身体を支配している。気だるく、それでいてどこか心地いい。身体の隅に残る快感の種も、ゆっくりとその熱を冷まそうとしていた。
ふと目に入るのは、愛しい彼女の背中。雪のように白く、絹のようになめらかな美しい背中。そこにうっすらと赤く残る縄の後が、如何せん俺の興奮を再び昂らせていく。いけない。先程散々手酷く抱き潰したというのに、これ以上無理をさせる訳には行くまい。
だが、目の前に吊るされた己の欲求は、こ難しく考える理性よりもよっぽど顕著で。ついつい、その滑らかな肌へと手を伸ばす。あぁ、やはり。滑り落ちるほどの滑らかさ。額を近づければ、何処か甘い匂いもする。いっその事ぺろりと食べ尽くしてしまいたい。そうすれば、彼女は俺の中で一生生き続けてくれるのだろうか。彼女は永遠に、俺のものになるだろうか。

「誰にも見せたくはないな。」

ぽつりと、静かな部屋で呟いた声は、宵闇の中へと吸い込まれるように消えた。
そして俺は白い白いその細腰に、わざとらしくリップ音を立てて、赤い華を散らせた。これは、風呂の時にでも気付くだろうか。
気付いた瞬間の彼女の反応を想像して、俺は笑みをこぼさずにいられなかった。あぁ、楽しみだ。


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