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叶わないと分かっているのに



叶わないと分かっているのに、まだ好きでいる。お前のことを。お前は陽だまりで暮らすべき人間で、私は闇間の中で生きなければならない人間。お前と私の人生が未来において交わることは無い。だからこそこの気持ちは、叶うことは無いのだ。お前は普通に可愛い女の子と出会って、恋をして、添い遂げるだろう。その方がきっと幸せだ。私のように使命や運命に縛り付けられ、罪悪感と陰鬱な気分に苛まれ生きる人生よりよっぽど。
それなのに、そうと理解しているのに、私はまだこの気持ちを捨てられない。この、言い様もなく胸を締め付けるこの気持ちを。お前が私に微笑みかけてくれるだけで、私は一瞬救われたような心地になる。今までの罪も猜疑も、全てが許されたかのような、一瞬のそんな勘違いを引き起こしてしまうのだ。お前が隣にいてくれるだけで、良心の呵責で眠れぬ夜が減る。
だがそれ以上にも、私はお前が傷つくことも恐ろしい。だからこそ、私のこの気持ちが叶うことは無い。お前をこちらの世界へ引き込みたくないのだ。踏み込ませたくない。お前はきっと明るい所で、笑っていられる人間だから。その方が、きっとお前の幸せになる。だから、誓って忘れてみせるから、もう少し、もう少しの間だけ、この気持ちを胸の奥底に抱えておくことを許してはくれないだろうか。


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