恋連鎖 | ナノ
それからというもの後半戦が始まりトシが点を決めて、次にそれの張り合うかのように総悟が点を決めて…
みんな習ってたんじゃないの?と思わせるような素晴らしい身のこなしで、余裕で3-Bに勝ったのであった…その点差はなんと7-0。いつぞやのどっか対北朝鮮の試合を思い出す。ポルトガルだっけ?
「さーて、次は結ちゃんだな」
「はい?」
試合が終わり、銀ちゃんはすぐ立ち上がると、それだけ言い残して去って行った。また見回りか何かを頼まれたらしい。
―――………っていうか…え?
「結―――!こんなところにいたアルかっずっと探してたネ」
「う、うんごめん…(あれ何で謝ってんの)」
「次は僕たちだね結ちゃん。早速練習しに行かないと」
「う?うん……?」
あれ、九ちゃんと…練習?
「次はバスケでしょ、頑張ってね二人とも!」
んんん……!?
「バスケなの?」
「あら、結ちゃんってば自分が出る種目忘れちゃったの?」
「そうじゃなくて…次、バスケなの?」
「そうよ」
妙ちゃんが笑顔で返せば
「あぁ…次女子バスケか。頑張れよ結」
と、試合が終わったトシからの応援の言葉ももらい…
ようやくあたしは現実を受け入れる。
―――ついに来てしまった!
そしてがっくりと肩を落とし、ここから動きたくないとでも言うようにしゃがみこんでしまう。
「どうしたネ」
「行きたくないよー」
「緊張してるの?」
「それもあるけど……」
「じゃあ何なの?」と妙ちゃんから尋ねられる。
何ていうか、あまりにもくだらないことだから言いたくないが……
「運動してるところ、見られたくないの……」
そう小さな声で言えば、三人は固まった。
そして次の瞬間
「何そんなこと?頑張って来なさいな結ちゃん!」
「そうアル!みんな結が運動してるところ見ても応援するだけヨ」
「うぅぅー……」
みんな気軽に元気づけてくれるけれど、あたしの中じゃ重要な事なんだよ。
それはある日の体育の時間に、偶然グラウンドが鏡のように映る体育館の屋根がありまして…
準備運動している皆をそこから見て「おもしろいなー」くらいのノリでいたものの、いざ走り込みをするときに自分の姿を確認して、
―――あたしってこんな不格好な走り方してたの…!?
…とまぁ、大きなショックを受けたのです。
とは言えず
「時間なくなっちゃうわ。行きましょう」
妙ちゃんに手をひかれ、逃れられなくなったあたしであったのだった……
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