*罪と罰

因果の続きでシズイザ
暴力表現あり・微エロ
引き続き不幸な正臣






「ただいま」
「おかえり」
リビングに入ってきた静雄に正臣と繋がったままの臨也が応えた。

「おう……あ゛?何してんだテメェ…」
「ん?何ってセックス」
静雄の額に青筋が浮かび、ソファーへ近付いてきた。正臣の頭の中は警報が鳴り響くのに、身体は全く動かない。萎えたペニスを臨也に突っ込んだまま硬直していた。

「テメェ…人のモンに何してやがんだ!!」
「がっ‥」
「あんっ!」
静雄に殴られてテレビの横まで吹き飛ぶ。ペニスが抜ける瞬間に臨也から艶のある声が出た。

「テメェもだ、臨也くんよぉ。覚悟出来てんだろぉなぁ?」
「あはっ‥シズちゃん、怖い顔」
臨也は身体をくねらせ、挑発した。
ソファーに寝転ぶ臨也の首を掴み、床へ叩きつける。
「痛っ!頭打った」
「るせーよ。四つん這いんなれ」
臨也は渋々、静雄に尻を向ける形で四つん這いになる。動いた拍子にナカから精液が零れた。
「きたねぇな。全部出すぞ」
静雄はテーブルに置かれたティースプーンを取る。
「ちょ、シズちゃん!まさか」
「テメェのゆるいケツなら余裕だろ?」
スプーンを軽く舐め、臨也のアナルに突き入れた。
「ふぁっ!‥ぁ、冷た…」
「ちっ!マジでゆるいな」
ヌチャヌチャとスプーンで直腸をこね回し、中身を掻き出す。
コプッと自分の死んだ精子が流れ出すのを正臣は虚ろな目で見ていた。
「ゃ‥な、か、ゴリゴリ‥する」
「黙れ。感じてんじゃねぇ、クソビッチ」
「ひっ!あ…だ、め」
「お仕置きだからな。イクなよ」
静雄の手が勃起した臨也のペニスを掴む。そのままゆるゆると扱くと臨也の背中が弓なりに反った。
静雄は自分の蝶ネクタイを外し、わざと完勃ちさせたペニスの根本をギッチリ縛り付けた。
「ひっ!いた‥い…」
パンパンに腫れたペニスから手を離し、臨也の足を掴んで引き倒した。
「うっ…」
「テメェがくだらねーマネ出来ねぇように折ってやろうか?」
静雄は足を掴む手に血管が浮き出るほど強く握り締める。
「っ‥い、いよ、シズちゃ、折っ、て、俺を‥閉じ込、めて」
苦痛に涙を浮かべながら嬉しそうに笑う。
「あぁ、そうする」
静雄も行動とは真逆の、とても優しい笑みを浮かべた。

「っ!!‥ぐっ……あ゛っ」
ゴキンッと鈍い音が部屋に響く。
臨也は静雄の服を噛みしめ、痛みと衝撃に耐えていた。足を折られながらも臨也の股間は上を向いたままだった。
「良い子だな」
「っ‥ぁ‥‥‥はっ」
静雄は他の誰にも見せない柔らかな笑顔で臨也の頭を撫で、涙と鼻水にまみれた顔に唇を寄せ舌で拭う。
そのまま口付けを交わして臨也のペニスを激しく扱き、ご褒美とばかりに根本の戒めを解いた。
「ふっ‥‥ぁ」
短く喘いだ臨也はフローリングへ精液を吐き出し、ぐったりと静雄に凭れた。


「氷取ってくるわ」
「待って!」
落ち着いた臨也から離れた静雄を縋るような声で引き留める。
「俺にはシズちゃんだけ」
「テメェの言葉は信じねー」
「良いよ信じなくて。でも、行動は信じてよ」
臨也は痛みを笑顔に隠し、折られた足を引き摺って静雄の足元まで寄った。幸せな顔で猫のように顔を足に擦りつける。そんな臨也の髪を梳く静雄も、愛しさに溢れた顔だった。

「ヒデェ顔だな。新羅呼ぶぞ」
「ん。その前にお風呂入れて」
「分かった。しっかり掴まってろよ」
甘えて両腕を突き出す臨也を抱き上げ、静雄は風呂場へ向かった。


独りリビングに残された正臣は自覚した。
空気とすら思われていない。ここに自分は存在しないなのだ、と。
あの二人はお互いしか見えていない。お互いしか必要としていない。
街も、人間も、喧嘩も、仕事も、彼らにとってお互いを確かめ合う要素でしかないのだ。

無謀にも正臣はその領域に足を踏み入れた。いや、踏み入れたと思っていた。
実際は彼らの領域に近付くことすら出来ていなかったが。
羨望や屈辱は全く無く、ただただ虚しい感情が正臣に渦巻いた。

タイミング良く正臣の携帯の着信音が鳴り響く。
『……正臣』
「さ、き」
『ふふ。気が済んだ?』
「え?」
『臨也さんと恋愛ごっこして。あ、片思いごっこか』
電話の向こうで沙樹はクスクス笑う。
「…お前知ってたのか」
『知ってるよ。正臣のことはぜーんぶ。知らないコトなんて無いよ。優しい正臣が好き。正義感が強い正臣が好き。すぐに傷付く正臣が好き。最後には私にすがるズルい正臣が好き』
ズルいと言われて胸が軋む。事実、彼女を逃げ場にしていた。
「沙樹、ごめん。俺は…」
『何も言わなくて良いよ。さぁ、帰っておいで。慰めてあげる。私の可愛い、可愛い正臣』

斯くして少年の淡い恋心は水泡と期した。




うん。沙樹が仕掛けた
臨也は静雄の愛を確かめられるならってOKした
ヤンデレなのは沙樹だけですよー





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