因果

シズイザ前提正→→臨
正臣不憫
やや露骨表現あり






「臨也さん…」
「ん?なぁに?」

報告書を提出しに事務所へ来て、そのまま雇い主を押し倒した。
雇い主は抵抗するどころか自分から唇を寄せてきて、俺は無我夢中で身体を貪った。
そんな情事の後、乱れた服もそのままに彼はソファーへ寝そべってる。
太股を伝う精液が背徳的でとても似合う。
彼を抱くのは初めてじゃない。こんな関係は数年前から、彼と初めて出逢った頃から続いていた。


「俺があんたを好きなの知ってますよね?」
「知ってるよ。だから?」
「あんたはどう思ってんですか?」
聞くべきじゃないことは分かっている。でも日に日に膨張していく自分の心に聞かずにはいられなかった。

「それ、聞きたい?教えてあげても良いけど、君が傷付くだけだよ。あ!君は傷つきたいのか。ふふ。傷ついて、痛みを感じて、自分がここにいるって証明したいんでしょ?他人に依存して個を確立するなんて不可能さ。また昔みたいに戻る?あー、あの頃の君は今よりは好きだったよ。何かを頑なに信じていたからね。それが本物だろうと偽物だろうとさ」
ペラペラと彼の口が動くのを見ているしかなかった。久々に感じた脱力感。
そうだ、彼はいつもこちらを見ることなんて無かった。俺を見ているようで、実際は視界に入ってすらいない。
抱かせて貰って、もしかしたらって期待して舞い上がってた。はは。哀れだな。

「じゃあ‥何で俺の気持ちに応えたんですか!?何で俺に抱かれるんですか!?」
「セックスは気持ちいいから。あとはさぁ…凄い嫉妬されるんだよねぇ」
臨也さんは自分の小指を噛み、恍惚とした表情で語る。
「いつも仏頂面して煙草ふかしてる癖にさ、俺が他のヤツの匂いつけてるとすぐ気付くの。やっぱ獣だよねぇ。たくさん殴られて、たくさん愛されるの。堪んないなぁ…」

他人の話をされてるのに、臨也さんはとても色っぽくて下半身に熱が溜まる。
「あれぇ?正臣くん、また勃ったの?ていうか俺、シズちゃんのコト話してただけなのに。俺も大概マゾヒストだけどさぁ、君も相当だよね」
俺のペニスに臨也さんの白く長い指が触れる。
「もう一回する?」
頷いて細い体を組み敷いた。

「この1回は最期の選択だよ」
「え?」
「このまま沙樹ちゃんの所へ帰るなら天国、俺と続きをするなら地獄。どーする?」
「俺はとっくに、堕ちる覚悟は出来てます」
「あは!そっか。じゃあシよ」
さっきまで俺を咥え込み、精液で濡れた穴へペニスを突き刺した。




―――ガチャッ
玄関の扉が開く音がした。
俺も知らないこの家の暗証番号を知ってるだろう人物は波江さんを除いて1人しか居ない。

「んふふ。帰って来ちゃったねぇ」
「あんた知ってて…」
血の気が引いて一瞬にして萎えた俺のペニスに比例するように、グチャグチャの臨也さんのナカは熱く蠢いた。

「俺は一緒に堕ちるなんて言ってないよ。君がどっちを選ぼうと、俺にとっては天国だから。さぁ!宴の始まりだ」

微笑んだ彼の顔が綺麗すぎて、クラクラと眩暈がした。




正臣好きの方ごめんなさい。
臨也ビッチじゃないよ、静雄一筋だから。





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