*ぼくらの純愛

やや9巻ネタバレ
臨也→→→静雄
新羅→→→セルティ
微エロ






「新羅、セックスしよ」
「いいよ」
夕暮れの図書室。
声の主は分かっているから、本に目を落としたままで答える。
横に気配を感じ、襟を掴まれて無理矢理キスされる。口の中に血の味が広がった。
臨也に視線を向けると埃まみれの学ランとボロボロの赤いカットソー姿。身体中は擦り傷や切り傷だらけだ。所々火傷の跡もある。
「満身創痍だね。今日は何?」
「シズちゃんが女の子としゃべってた」
「相変わらず乙女思考だね、臨也」
「俺にとっては大問題だよ」
「それで、ドラム缶に火を点けた?激しい愛だね」
「うん。全てを燃やし尽くす愛だよ」
恍惚とした顔で両手を広げて語る。
「中2病」
「褒め言葉。だいたい新羅に言われたくない」

僕の膝元にしゃがみジッパーを下げ、ペニスを取り出すと躊躇い無く口に含んだ。
僕以外に男との経験なんてない臨也のフェラは下手だ。睾丸やペニスを刺激されれば反応するけど射精には程遠い。
「もういいよ、臨也」
「んう…」
「慣らしてあるの?」
「うん。さっきトイレでオナニーした」
「そう。じゃ脱いで」
臨也がズボンと下着を脱ぎ、机に手をつく。
アナルに指を入れ、掻き混ぜると確かに解れてるようだ。
コンドームをつけてアナルに押し当てる。
「挿れるよ」
「うん。っ‥‥あぁ…」
ゆっくり挿入すると、臨也は机に縋るように爪をたてる。せっかく綺麗な爪をしてるのに割れたら勿体ないな。
臨也の手を取ろうと前屈みになる。
「ひゃあっ!‥ふ、かい…っ」
必然的に奥に入ったペニスに臨也が仰け反った。
締め付けてくるアナルはフェラより幾分気持ちいい。
手を重ねて腰を回すように動かせば、ひっきりなしに嬌声があがる。
「あっ!あっ!シ‥ズちゃ、きも‥ち…いぃ」
「お行儀が悪いね、臨也。セックスの最中に他の男を呼ぶなんて」
「ふっ‥あ、ご、めん‥んっ」
別に静雄への嫉妬ではない。
僕の愛する人は喋らない。
これは僕達2人の自慰だ。だから臨也は声をあげるべきでない。
直接伝えても良いけど『抱いてもらってる』臨也にはこのほうが効果的。
普段は人間観察なんて高みの見物決め込んでるが、静雄絡みの臨也は弱い。
このセックスだって僕への後ろめたさでいっぱいなんだろう。
案の定、繋いでいない手を口元にあて更に唇を噛み締めて声を堪えている。
くぐもった声は無視して、ここには居ない彼女を見る。
奥を抉れば、きっと彼女は恥ずかしがりながら腰を揺らすだろう。
柔やわと僕のペニスを締め付ける彼女の膣を激しく抜き差しする。
一際キツく締まって痙攣した膣の最奥に沈め、ゴムの中へ射精した。

萎えたペニスを引き抜いて下を向くと床に吐き出された臨也の精液が視界に入り、現実に引き戻される。
臨也の濡れた太股が不快でティッシュを渡す。
「ありがと。優しいね」
「僕が見たくないだけだよ」
「ははっ…そだね。俺も見たくないよ」
乾いた笑いを浮かべた臨也の口元に血が滲んでる。
悲惨だな。

「これも彼女へのアピールの一環?」
服を整えた臨也が横に座る。
「志操堅固。好きな人に認められる為なら、男にだって突っ込むさ。君もいい加減告白するなりセックスするなり、先に進んだらどうだい?」
「分かってないね、新羅。俺はシズちゃんと恋人同士になりたいわけじゃない。この恋を成就したいとも、させたいとも思わないさ。こんな醜い感情、あの純粋な化け物には似合わないよ」
「本当に歪んでるね。おかげで僕が君の醜い感情の掃き溜めになってるわけだ」
「そうだよ。俺の感情をぶつけるのは新羅、君にだけだ」
俺の内側を知るのは君だけ…と、僕の肩に顔を埋めた。

このどうしようもない中2病を疎ましいと思うと同時に愛おしいとも思う。
臨也を含め彼女以外の存在に興味なんて無いが、案外深い友情なのかもしれない。

だから僕は願う。
君が望もうと望むまいと、この恋が成就するよう願う。

早くこの不毛な関係を終わらせる為に。
僕と、僕の愛するたった一人の為に。

――あぁ、彼女はいま何を見ているんだろう。
何を感じているんだろう。
僕と同じ夕日を見ているのかい?
肩に掛かる重みが君だったら良いのに。




新羅、臨也のこと嫌いじゃないですよ。
ただセルティが好きすぎるだけです。





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