日常

四木臨的日常
四木さんに嫉妬させたかっただけの小話






「折原さん…」
「あ、四木さんっ!!」
岸谷先生の呼び出しで家に行けば、血まみれでソファーに寝そべる臨也がいた。
「遅くにすいません四木さん。ご迷惑かと思ったんですが他に引き取り手がいなくて」
「結構ですよ。うちで引き取ります」
「ちょっと!人を捨て猫みたいな扱いしないでよ」
「良かったね、臨也。里親が見つかったよ」
「新羅!……っ」
「ほら、いきなり動くから」
上体を起こした臨也が痛みに呻く。
「今日はどうしたんですか?」
「いつもの追いかけっこですよ。肋骨にヒビと足にガラスが刺さりました」
「シズちゃん、カーブミラーでフルスイングだよ。信じらんない」
「自業自得でしょ?」
頬を膨らましていじける臨也の横に屈み、抱き上げる。
「わ!四木さん!服汚れます」
「構いませんよ」
「構います。下ろして下さい」
「私が構わないのだから、問題ないでしょう」
「…はい」
少し強めに抱くと、胸に顔を押し付けて頷いた。心なしか顔が赤い。

「では岸谷先生、お世話になりました」
「新羅ありがとー!いつもの口座に振り込むね」
「分かった。最低1週間は安静にね」
「努力するよ」



薬を受け取りエレベーターに乗ると臨也は無言だ。
「いきなり大人しいですね」
「やっぱりこの格好、恥ずかしいです」
「貴方が無茶をするからでしょう?」
「俺の性分なんです」
「では我慢して下さい」
その後は諦めたのか黙って腕に収まっていた。



俺のマンションに着き、血の滲むコートを脱がせた臨也をベッドに寝かせる。
熱いタオルで身体を拭いてやると、気持ちよさそうに目を細めた。
視界に入る所々巻かれた包帯と、白い肌に残る血の跡に苦い感情が鬱積する。

「このまま閉じ込めてぇなぁ」
「え?」
「閉じ込めて、誰も触れねぇようにしてぇよ」
臨也に巻かれた包帯をなぞりながら呟いた。
「四木さん…」
「お前の遊びを邪魔するつもりは無ぇが、あんまり嫉妬させんなよ」
「ふふっ‥」
「なんだ?」
「俺の一方通行かと思ってましたが、意外にそんなこと無かったんですね」
柔らかな笑顔で微笑まれ、誤魔化すように煙草へ火を点けた。
「いけねぇな、年甲斐もなく」
「こんな四木さん見れるなら、怪我も悪くないです」
悪態つく臨也の頭を撫でる。
「馬鹿言ってねぇで早く休め」
「はい。おやすみなさい」
「あぁ、おやすみ。臨也」
瞼を閉じた臨也を見つめ、煙草の火を消した。



オチなくてすいません!
あくまで日常なんで…
とゆう言い訳の突発文です





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