Fetishism

24時間ストーカーコンビ様提出作品。ストーカー静雄×臨也
萩野綾女様、素敵な企画をありがとうございました。






『シズちゃん、いい加減にしてよね』

電話口の臨也は怒りが籠もった低い声だった。
「なにがだ?」
訳が分からなくて聞き返せば溜息が聞こえる。
『また勝手に家入ったでしょ?』
ああ、なんだ。その事か。
「昼休みにな」
『ドアも鍵も、また変えるようじゃない』
臨也は仕事用のデスクへ腰掛け、空いている手でトントンと不機嫌そうに机を叩いていた。
臨也のマンションは窓が大きいから良い。アイツは人間観察の為だとかフザケた事抜かすが、それは同時にアイツが良く見える。今、俺がいるビルからは臨也の全てが見えていた。っても事務所のスペースだけだが。仕事柄用心深いし、馬鹿じゃない。だからアイツのプライベートに入るには鍵を壊すしか無かった。
「鍵かけなきゃ壊れねーだろ」
『不法侵入しといてその言い種は無いんじゃないかな……まぁバケモノに何を言っても無駄だろうけどね』
「じゃあ鍵くれよ」
『断る。理由がない』
臨也は呆れ顔で立ち、窓際に来る。大きな窓におでこをつけるから触りたくてたまらねぇ。
「理由はある。好きだって言ってんだろ」
窓から大通りを見下ろす臨也が自嘲気味に笑う。
『前も言ったけど、それはきっと勘違いだよ』
最初に告白した時、アイツは少し驚いたあと楽しそうに笑った。ひとりぼっちのバケモノが、たとえ仇敵であろうと自分を認めてくれる者への感情をこじらせただけだと笑った。他にもごちゃごちゃ言ってたが覚えてねぇ。それこそ勘違いだ。
「何回言ったら分かんだよ!本心だ!!」
『……仮に君の心が本物でも、俺は答えるつもりなんてないよ』
臨也が拳をガラスに打ちつけた。アイツの白くて綺麗な手が腫れちまう。そんな顔すんなって言って抱き締めてやりたい。
「俺は諦めねぇ」
『ハハッ……俺、いつかシズちゃんに手籠めにされそうだね』
笑った臨也に何もかも伝えたくなった。
もう遅い、と。




深夜2時。
今日は疲れていたのか臨也はぐっすり寝ていた。池袋でも微かに匂いがしたから、どうせロクでも無ぇことしてたんだろう。
臨也の睡眠時間は短いが一度眠ると深い。しかも昼間来たときミネラルウォーターへ睡眠薬を混ぜておいたから目覚める事は無いだろう。普段もこう、寝ている時みたいに大人しかったら俺はどれだけ満たされるか。それを知らずにコイツは俺を掻き乱す。

さらさらの前髪をかき分けて、白い額に口付ける。ほんの少し眉が動いた。そっとブランケットをめくれば、ハーフパンツから細くて白い、俺から逃げられるとは思えないようなスラリとした足が伸びる。
馬乗りになって薄く開いた唇へ吸い付いた。反応が無いのは承知の上だが、やっぱり物足りない。口を離して咥内へ指を入れる。指先で舌を何度も撫で、挟み、引っ張り出すように弄ると、唾液がとろりと口の端から垂れた。それを啜りつつ、今度は喉の奥まで深く差し込んだ。
「グッ………ァ……」
喉が震えてえずき、粘液状の濃い唾液が指に絡みつく。指を押し出すように動く舌を無理矢理押して更に口ん中を掻き回した。
臨也は息苦しさに仰け反って、唾液と苦しげな声を漏らし続ける。それだけで俺の股間はきつくなった。
「……っ」
ガキみてぇに焦ってジッパーを下ろす。臨也の口から指を抜き、緩く勃ったチンポに唾液を絡めて扱いた。すぐに先走りが溢れて、それを臨也の腹に擦り付ける。
目の前でオナってるヤツがいるのにコイツは綺麗な顔で眠ったままだ。
起こしてセックスするのは簡単な話だ。コイツは知らなくても、とっくにこの体はケツに突っ込まれてイける。それでもまだ足りねぇ。臨也が素直になるには、まだ、いろんなものが足りなかった。
ふと視界に入った右手の拳が少し腫れていた。
これが俺達の現実だ。コイツが逃げられねぇように、俺に何されても、何言われても反論出来ねぇようにしねーとなんねぇ。眠らせて身体だけ先に堕とすなんてのは最低だと分かってる。でも頭悪ぃ俺には他に方法なんて思いつか無い。だから先に身体だけくれよ。俺の全部をやるから。そんな俺の感情全部を込めて、赤黒く変色している拳へ口付けた。滑らかな指先に桜貝のような薄くて整った爪が生える。これがナイフじゃなくて俺の腕を掴んだら、俺は全部を捨てたって良いんだぜ?きっと手前は分からねーんだろうな。

臨也のパーカを脱がせて薄ピンクの乳首に吸いついた。
「……っ、ぁん………」
身を捩ってシーツを掴む。背中に広がる白い波は羽みたいで、臨也はさながら天使だ。
舌先と指で捏ね回すと、ショートパンツの股間が僅かに盛り上がってきた。こういう面で、男の体は正直だ。意識が無くても気持ち良けりゃ勃つ。
「ん、ぁ……」
コイツは夢ん中でもセックスしてんだろうか。それが俺以外の相手だったら、夢であろうと殺してぇ。男だろうと女だろうと。そう思ったら余計に熱が溜まって、臨也の腰を掴んで一気にパンツを脱がせた。ぷるんと小振りなチンコが揺れて、既に俺の先走りで濡れていた腹を更に汚した。
ポケットから出したローションパックを手のひらに溜め、余った分は臨也のチンコに垂らす。冷たさに少し萎えたが、気にせず全体に掛けた。
臨也の穴の周りに触れてみる。コイツは知らないだろうが、毎日俺を受け入れているソコは少し力を入れただけでも、すぐに指先を飲み込んだ。
「ンンッ……」
馴染ませるように入り口をナカから拡げると甘い声が漏れた。我慢できずに自分のを扱きながら穴を解す。ゆっくり出し入れする指の速度に合わせて扱くと、まるで臨也のナカに挿っているような気分になる。
「クソッ!」
「ふぁっ……」
疑似的な感覚に持っていかれて、臨也の穴にぶっかけた。指マンで赤くなったフチに俺の精液が掛かって、まるで中出しした見てぇだった。
「っ!」
その様子だけで、すぐに勃起した。
「ん……」
俺の精液を掬って3本の指を一気に突っ込む。付け根まで差し込んで動かしても、痛そうな様子も無いから、指を抜いて俺のを押し当てた。亀頭にヒクヒクと臨也の穴が蠢く感じが伝わり、ゆっくり挿れるつもりでいたが、そんな余裕は吹き飛んだ。
「ぃ……ぁ………っ」
一気に根元まで差し込む。衝撃にガクガクと揺れる体の中心で震える臨也のチンポを掴んだ。握り潰さねぇように、ゆっくり優しく扱く。
「…………んっ!ぁ、きもち、ぃ……」
んだよ……寝てりゃどんだけ素直なんだ。口元がニヤケるのが自分でも分かる。嬉しくて更に扱くと内壁がうねって、俺に絡み付き、自分から腰をゆるゆると使いだした。俺の動きに合わせて腰を揺らし、繋がったところからグチュグチュとエロい音が漏れた。
「っ!ヒッ、ぁ…………」
前立腺に当たると腰が跳ね、臨也の腕が何かに縋るように空を彷徨う。それを俺の背中に回し、腰を抱え直した。
「んぁ……」
より深く繋がって奥を穿つとナカが蠢いて、臨也が限界を迎える。
「ぁ、っ……ふぅ、ン……あぁ……」
鼻に掛かったイヤラシい声と共に臨也がイッた。
「っ…………い、ざや……」
射精によって絡みつく腸壁を掻き分けて数回最奥を穿つ。ギリギリまで堪能して引き抜き、濡れた腹へ吐き出した。
「あー……俺のと手前のが混ざって子供出来たら良いのになぁ」
臍に溜まった二人分の精液を指で掻き混ぜて、有り得ない夢想に再び熱が燻った。


結局さらに2回抜いて、それから臨也の体を綺麗にしたら朝日が昇り始めていた。名残惜しく整えた髪を梳く。
そろそろ臨也が起きちまう。俺の夢が醒めちまう。
「おやすみ、臨也。また明日な」
ずっと眠ってろと呪いを込めて、閉じたままの瞼にキスをした。





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