World's End BoyfriEnd

臨誕プチのペーパーに載せた内容と同じです。
World's End GirlfriEndの後日談。





「誕生日おめでとう、臨也」

0時ピッタリにシズちゃんが俺に薔薇の花束を渡してくる。
「ありがと」
素っ気なく返事をすると、照れた顔で持っていた煙草を握り潰した。
本当、居た堪れない。


どうしてこうなったかは5年前に遡る。
2012年5月4日、世界が滅びるなんて馬鹿げた話があった。誰も信じないような話に尾ひれはひれが付いて、いつの間にか日本中騒ぎだす大事になった。
もっとも種を蒔いたのは俺だけどね。
デュラハンの首が目覚めるかもしれないし、何より面白そうじゃない。
でも、リアルは想像と全然違う結果だった。

あの混乱で俺が得たモノは池袋最強の寵愛。
対価はバックバージン。
最低だろ?思い出しても殺してやりたいよ。
ずっとシズちゃんを手に入れたかったけどさ、こういう意味じゃないし。しかも俺の仕事に対しては相変わらず邪魔ばっかり。やるせないったらないよ。
でも、それ以外は・・・・酷く過保護。
全く思い通りには動いてくれない。楽しんじゃってる俺も相当だってのは気付いてるさ。

あの日、(あくまで)手籠めにされて安いベッドから起き上がれなかった俺に、シズちゃんは1本の薔薇をくれた。
コンビニ行くって出掛けたかと思ったら薔薇を一輪、ご丁寧にラッピングされたやつを買ってきた。とっくに俺の誕生日は終わってたけどね。
喧嘩人形が薔薇を買う姿を想像したら、顔がにやけるのを止められなかった。それは完全に馬鹿にした笑いなのに、頭が悪いシズちゃんは、はにかんでると誤解したんだ。
本っ当、最低。
最低ついでに、俺の顔を見て嬉しそうに笑うシズちゃんにうっかり絆されちゃったね。

次の年から、必ず10本の薔薇を送ってくる。万年金欠病のシズちゃんが良く頑張ってると思う。
馬鹿の一つ覚えってやつだけど、花に罪は無いから愛でてあげる。
プリザーブドされてるなんて思ってもいないだろうな。
そのうち君の恥ずかしい過去を見せつけてやろうか!


あと6年、俺は君の隣に居るのかな?
もし、なんかの気まぐれで、事故みたいなもので、隣に居たら・・・・
そのときは、俺も同じだけの薔薇をあげよう。
きっと君は101本の薔薇の意味なんて知らないだろうけど、押しつけてあげるね。




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