*3

「ん、ぅ‥」
シズちゃんがキスしながらジャケットを脱がす。床に投げて胸元のリボンをゆっくり解かれた。
髪も胸もスカートも、今の俺は全部偽物だけど凄くドキドキする。
「このままでいいか」
胸元のボタンを2つだけ開けてシズちゃんはベッドから降りた。
「っふ‥?」
離れたシズちゃんを物欲しそうな目で見てしまった。慌ててふつうの顔を装うけど、時すでに遅し。男らしくニヤッと笑ったシズちゃんがベッド脇に膝をついた。
「ちゃんと気持ちよくしてやるよ」
ニーハイの上から脚を上下に撫でられてサワサワもどかしい。
閉じようとした脚をベッド際まで引っ張られて、シズちゃんの肩に乗せられた。つまり、俺の股間の前にシズちゃんの顔がある。それだけで背筋がゾクゾクする。
「裾、持ってろ」
シズちゃんが無造作にスカートをめくる。汚すのも破かれるのもイヤだから、大人しく裾を掴んだ。
「男物でもよぉ、コレはエロすぎんじゃねー?」
パンツを見たシズちゃんが呟く。
そうだ。そうだった…
いくら丈が長めのトップスを着てるとはいえ、パンツのラインや股間の膨らみが気になる。だからピッタリ押さえれて、かつ裾から出ないビキニタイプを履いた。
シズちゃんに遭遇することは予想外…では無いけど、そのままセックスするのは予想外だった。シズちゃんがこんなことで欲情や嫉妬なんてしてくれると思わなかったし。
「仕方なくだよ。スカートから見えちゃうし」
「へー。仕方なく、ねぇ…」
シズちゃんの指がラインをなぞる。スカートに隠れて見えないけど厭らしい手つきで触ってるし、こんな間近で見られて恥ずかしさに消えそう。
「んっ‥」
パンツの上からちんこを撫でられた。
「勃ってんじゃん。変態」
パンツごと甘噛みされて、ジワッて先走りがでる。布越しの感触がもどかしくて腰が揺れる。
「し、ずお、く‥ん」
「んー?」
声の振動もヤバい。
「ふっ‥さわ、って」
「触ってんだろ?」
長くて綺麗な指が濡れたパンツを弄る。
「やぁ!ちゃ、んと…さ、わってよぉ‥」
わざとぬるい刺激を与えるシズちゃんに懇願する。
「テメェはよぉ…」
また少し怒った顔。
でもパンツに指がかけられて、直接舐められて分かんなくなった。
「ふぁっ!っ‥あ、ぅ…」
先端をキュッて吸われて、肩に乗せた足をシズちゃんの首に巻き付ける。
そしたら奥まで咥えられて、熱い口内に全身がドロドロに溶けそうな感覚になる。スカートを持ってる手も震えて、シズちゃんの頭に被せてしがみついた。
「ぁ‥ぁ…きも、ち‥い」
限界が近くて、熱が集中して生理的な涙が滲む。
「も、イ‥く‥」
その言葉にシズちゃんが睾丸を揉んで、頭を前後に揺らす。
「ひっ!‥あ、ぁ‥っ」
深く飲み込まれ、一際強く吸われて口内に射精した。脱力して浅い息を吐いてると、コクンと何かを嚥下する音がした。何かなんて言わずもがな。顔が赤くなった。

「だぁっ!暑っちいなぁ!」
「ふぁっ」
シズちゃんが雄叫びをあげていきなり体を起こしたから、反動でベッドにひっくり返った。
スカートの中にいたシズちゃんは汗だくで、滴る汗を拭う姿が男らしいから見惚れちゃう。
「なんだよ」
俺の視線に気付いたシズちゃんがベッドに座った。起き上がってシズちゃんの首筋を流れる汗を舐めた。
「ん、しょっぱい」
「当たり前だろ?汚いぞ」
「静雄くんに汚いところなんて有りませーん☆」
そのまま首筋に痕つけて鎖骨を舐めながら、シズちゃんのベルトに手をかける。
「臨也もよぉ、甘楽ぐらい素直で積極的ならなぁ」
「臨也は嫌い?」
ダメだ。また拗ねた言い方をしてしまう。一々こんな事を言葉で確認したいなんて馬鹿げてる。お互いの全部を理解しあってる自信はあるのに、その言葉が欲しい。
シズちゃんが俺の肩に頭をおいた。
「好きだよ。女の格好でもしねーと素直になれねぇ天の邪鬼で歪んでて寂しがり屋の癖に我慢する、めんどくせー臨也が好きだ」
「静雄くん、趣味悪いですね」
肩にある傷んだ金髪を優しく撫でた。
精一杯ニヤケるのを我慢したけど、今の俺は相当酷い顔をしてるだろう。

「あぁ。だから今日は素直でいてくれよ」
「…うん」




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