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MEMO

今年はいろいろやりすぎて金欠が常について回る事態に陥った。
でも私は漫画やCDを買うなどの浪費活動を抑えるのはどうしてもいやなので、それらを十二分に行うために制限するのは食費ということになる。というかこれぐらいしか、安月給の私には即効性のある節約の手段がない。
 そこで、豆苗の栽培を始めた。豆苗は食べたあとも水栽培で育てればまた食べられる代物で、実家の母もキッチンの窓辺でささやかに育てている。その豆苗はもやしみたいなものだから4日もあれば1食分のサラダになるほどの量が収穫でき、1日一株ずつ増やしてある程度株が増えれば豆苗永久サイクルができるのだ。このサイクルが完成すれば、108円するセブンの袋入りコールスローサラダを毎日1袋消費するよりも半分ほどコストを抑えることができるという計算である。
 私は豆苗で浮いた金でなんのゲームを買うのかワクワクしながら、株を着々と増やしていった。
 そんな日が半月ほど続いたが、まだ豆苗永久サイクルは完成していない。それどころか、最初に購入した豆苗さえもサラダになるほどの量になるまで育ちきっていない。
 今が冬だからだ。しかも、株が置いてある一人暮らしの部屋は日中無人になるため暖房さえ入れていない。豆苗が育たないのである。
 私は六畳も満たないワンルームの自室の床のおよそを半分も埋めている十数株の育たない株に侵食されながら、冬の寒さと自分の考えの至らなさを恨んでいる。

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6th.Dec.2019


 
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