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MEMO
年末年始リクエスト企画

年末年始のリクエスト企画、参加いただいた方どうもありがとうございました!!

短い期間で、2つリクエストをいただきましたので本日はそのうちの一つをここに掲載します。

リクエストはこんな感じでした。

リクエスト(アンケートの文章から抜粋させていただきました)
素敵な企画をやられているなあと前からそわそわしていまして、ぜひぎすのさんに作文をお願いしたいなと!
ジャンル不問ということで、テニスにしようか他にしようか迷いましたが、やはりここはテニスの王子様で、謙也さんの作文をお願いします。常に謙也さんに飢えてます。
夢ではなくて、白石との3-2友情コンビで、毒草聖書をネタに2人が◯◯しているところ(会話でも運動でもお笑いでもなんでも良いです)という大変マニアックな指定でも大丈夫でしょうか…?日常でグダグダしている王子様が好きなんです…それをぎすのさんの文で読んでみたいなあと…。面倒な指定ですが、よろしくお願いします。



面倒どころか!男の子がただモチャモチャしてるっていうの、大好き!!!!
というわけで、数行下から書いたものを掲載します。よろしくどうぞ




「うちんとこの学校、ほんましょーもないこと考えるな。今時、山でゴミ拾いなんてやるもんちゃうやろ。21世紀やで。」
「勉強よかマシやろ」
体育ジャージ姿に真新しい軍手をつけた中学生男子たちの口から、各々が持っているビニル袋の中に入っているゴミの数よりも多くの文句が吐き捨てられていく。
「栗とかキノコとか食えるもん落ちてへんやろか?」
 ジャージの左胸に忍足と刺繍された金髪頭の少年も皆と同じように文句をこぼしながら。木の根元の落ち葉を足で地面の落ち葉を払った。落ち葉の隙間から濡れた地面が覗いた。
「そういう時期ちゃうやろ。あー腰いったー。もう、帰りたいわ。」
 わざとらしく腰を叩く同級生の腰を忍足は軽く叩いた。
「お前、さっきから軍手もせんと。そこに突っ立っとるだけやないか。」
「忍足もそこらの葉っぱむしっとるだけやろ。見てみ、白石を。やっぱあいつはさすがやな。顧問に見張られてるサッカー部なんかよりもずっと真面目にやっとるで」
 同級生が指差した先にいる白石は、周りの皆がゴミ拾いのフリをしてる中でただ一人、今にも這いつくばってしまいそうなくらい姿勢で熱心に地面をのぞき込んでいた。
 忍足は白石の方へ歩み寄った。白石のそばで見ると、確かに白石は今この山にいる誰よりも熱心に作業をしている。だが、それはゴミ拾いではない。本の頁に書かれた内容とと雑草を見比べているのだ。
「白石、自分なにしてん?」
「ちょっと、探しものを」
 白石は手で落ち葉をかき分けては、地面の土を掘ってを繰り返していた。
「なに探してん?」
 白石は忍足を見上げて、ニヤリと笑った。なにかいいものを隠しているのを隠しきれていないようで、目は爛々と輝いていた。
「ええもんに決まってるやろ。」
「そのええもんはなんや訊いてんねん。」
「それは、見つけてのお楽しみや。なんなら、謙也も探すか?」
「ええんか!?」
 ただゴミを拾う振りをして、暇を持て余していた忍足は白石の誘いにとびついた。
「ええで。助かるわ。ほら、これ見て、載ってるものを探すんや。」
 白石は自分が持っていた本を阻止足りに手渡した。何度もめくられたせいで、頁が少しめくれて膨らんだようになってしまった角。日に焼けた色の紙。人積田だけで、ずいぶんと使い込まれているとわかる本を、忍足はこれまでに何度か目にしたことがあった。この本のおかげで忍足は、死にはしなかったが、「死ぬかと思った」と今思い出すと冷や汗と脂汗を一緒に出てくるようなこともあった。
 トラウマを振り払うように、忍足は白石に本を突き返した。
「学校の裏山でわざわざ毒草とりたないわ。」




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18th.Jan.2015


 
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