二人は「親子」であった。子供はサッカーが好きだった。その親子は大きな家に住んでいたため、広い庭で親はボールで遊ぶ子供を眺めていた。サッカーの才があると言われた賢い子供が器用にボールを扱っている様を見るのは彼の休日の楽しみであった。例え血は繋がっておらずとも、充分に愛情はそそいでいたつもりだった。子供は楽しそうに笑い、彼もそれを見て微笑む。アットホームを体言したような風景だった。だがそこに会話は、言葉はなかった。少年は楽しそうに笑っていた。





title:にやり
120221