とあるマフィア撲滅計画の漸進的な第一歩という事で、ジャッポーネの高校に潜入捜査中のヴァリアー部隊幹部S・スクアーロ26歳独身。彼は日本の夏のぐだるような暑さをナメてかかっていた。という前置き。


「スクアーロ先生、質問がありまーす!一つお答えいただけませんでしょうかコラ?」
「ここは俺のテリトリーだぁ、失せろガキ」
「先生にあるまじき暴言」
「俺は先生じゃねぇ」
「や、何職業逃避してんの」
「暑すぎてやってらんねぇぜ。おい、そこのブス」
「殺すぞ!」
「殺すぞ」
「ごめんなさい!」
「まあいい。何でてめぇここに来た」
「や、質問あるって言ってんじゃん!」
「ねぇよ」
「先生になくてもあたしあるの」
「大体今夏休みだろうがぁ。その質問とやらが宿題に関してだったらおろすぞぉ」
「褒められてしかるべきなのに!」
「どうなんだぁ」
「宿題に関して、じゃないよ。というか手つけてません」
「やれよ」
「おいおいね」
「もう帰れ」
「どんだけ邪険にすんですか」
「俺はもう喋りたくもない。何でこの部屋にはクーラーのひとつもねぇんだ」
「じゃあ職員室行ったらいいじゃないですか」
「言っとくがあそこにもねぇぞ」
「え!この学校カス?」
「カスだぁ」
「そっか、そういや校長室にしかないってだれか言ってたな。」
「…!」
「でもだからってなんで教室なんかに?」
「ここが一番風が通る」
「なるほど。え、ちょっとどこ行くんです?」
「占拠してくる」
「え」
「校長室」
「ちょ、先生落ち着いて!目座ってるよ!」
「暑ィ」
「(良かった諦めてくれた)」
「で、お前の質問ってなんだ」
「先生って私の担任ですよね」
「暑さで頭イカれたか。つい1週間前までそうだったろうがこのクソミソカス」
「ぐっ」
「で?だからなんだ」
「…私の進路についての悩み聞いてください」
「おう新学期な」
「もういやだ!担任とかうそでしょ!」
「煩ぇ喚くな。チッ……言ってみろ」
「笑わない?」
「ああ」
「ひ、ひかない?」
「ああ」
「びびらな「良いからさっさと言え!おろすぞ!」
「ひい!わたし大学行くの止めてマフィアになります!それだけです!」
「!」
「顔怖っ!」
「そ、れはどういう意味だぁ」
「…私実はパパがマフィアのボスなんですけど、ほんとしょぼくて見るも耐えない弱さなんですよ」
「…」
「そしたらこの前パパがシルバニアファミリーとかいうふざけた、ばかにしてんのかって名前のマフィアのボスの一人息子と私の政略結婚勝手に結んじゃって。しかもそいつデブでブサメンでブタの化身みたいな奴で。「夏休み明けたらボクと結婚して」とかクソみたいなプロポーズされて。とにかくもう耐えらんなくて私とっても考えたんです。うちのしょっぼいファミリーが手の届かないようなところに行くにはどうしようって。表にいたんじゃバレちゃうし、ブタの妻になるなんて死んでもやだし、だから、」
「…」
「私、イタリア最強マフィア、ボンゴレに就職しようと思って」
「…う"ぉ"ぉ」
「これ進路に関する相談ってジャンルでいいんですよね。相談っていうか宣言なんだけども」
「や、やめとけぇ」
「!!…まさかの止められた!先生が先生の職務を全うしてる!」
「どういう意味だゴラ!大体、テメェみたいなカスチビが入っても殺されんのがオチだぁ!」
「先生にできて私にできないはずがない!」
「俺は強、……あ?」
「あ」
「…何で知ってやがる」
「し…知ってるよそりゃ」
「いつからだ」
「先生が新学期に新任としてここに来た時から」
「最初からじゃねぇか!!」
「うん。うち弱小なくせに情報網だけはマジどこにでも毛細血管のごとく張り巡らされてるからさ。それでのし上がってきたようなもんだし」
「…なるほどなぁ。これでカス相手に俺がかりだされた意味が分かったぜぇ」
「と、いうことでどうぞ引き取ってください」
「断る」
「あうちっ」
「危険分子を本部に送るほど俺は落ちぶれちゃいねぇ。お前はここで殺す」
「くそう、進路相談にきたばっかりに!痛くしないでね!」
「諦め早ぇな」
「ブタにヤられるよか先生に殺られたいです。好きなんで」
「…は?」
「好きなんで」
「、お」
「そりゃ政略結婚やだから必死だったけど、わざわざボンゴレ選んだのが先生いるからだって何で分かんないかな!つまり、この3ヶ月で私がっつり心臓握られました!おみごと!」
「やけじゃねぇかぁ!」
「やけですが!」
「お、俺に惚れてんのか」
「大好きです!」
「う…う"ぉ」
「大好きです!」

好きで潰れそうになる
だからいっそ潰れに行ってやったのさ!そしたら何か先生真っ赤だった。あれ?

1126 企画「右耳にピアスを開けた日」様 提出